「大林組はやばい」は事実と異なる!やめとけといわれる評判の理由を徹底解説

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この記事では、大林組への転職を検討している方に向けて、「やばい」「やめとけ」といわれている理由をお伝えします。ネット上の噂の真偽や、その背景にある実態を調査しましたので、ぜひ本記事で正しい企業理解につなげてください。

目次

大林組はどんな会社?

大林組は1892年に創業した、連結売上高2兆6,000億円を超える総合建設会社です。建築・土木工事をメイン事業とし、オフィス・マンション・商業施設・工場・病院・学校など、あらゆる建築物の設計・施工を手がけています。土木分野ではトンネル・橋梁・ダム・鉄道・高速道路など、生活インフラを支える構造物も幅広く担っています。建設事業で培った技術を生かした周辺事業も展開しており、都心部を中心とした優良賃貸不動産の開発・保有・運営を行う開発事業や、2012年から再生可能エネルギー事業を開始したグリーンエネルギー事業も注目されています。代表的な施工実績としては、JR大阪駅北側のうめきた2期開発「グラングリーン大阪 パークタワー」や、「TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH」などの大型プロジェクトが挙げられます。130年以上にわたって受け継がれてきた「誠実なものづくり」の精神と、国内外で積み重ねた高い技術力が、大林組の強みです。

本記事では、公式データと客観的な事実から評判の真相を徹底解明します。

大林組がやばいといわれている理由とは?

大林組が「やばい」といわれている理由には、「長時間労働や激務」「離職率の高さ」「過去の不祥事」「施工不良」などさまざまな内容があるようです。ただし、憶測やイメージから噂が広がっている場合もあるため、公式情報から「大林組がやばいといわれている理由」と「その真偽」を確かめていきましょう。

大林組

やばいといわれている理由

長時間労働や休日出勤があり激務だから?
社員の離職率が高く定着率が低いから?
過去の不祥事や指名停止による経営リスクがあるから?
大規模な建設現場での重大事故が報道されたから? 
国内外への転勤頻度が高くライフプランが崩れるから?
売上規模が大きく社員の平均年収が高いから?
談合事件を起こしているから?
大量の施工不良を指摘されているから?

長時間労働や休日出勤があり激務だから?

「長時間労働や休日出勤があり激務」という噂は、一部事実といえます

大林組のESGデータブックによると2024年度の一人当たり月平均残業時間は32.8時間で、建設業の平均13.3時間(2025年度)と比べて高い水準にあることは否定できません。ただし、2021年度における大林組の月平均残業時間は41.8時間であったことと比較すると3年間で約9時間削減されており、数値が改善傾向にあることがわかります。

一方で、2024年度の年次有給休暇取得率は52.9%であり、有給取得は一定程度定着しています。残業時間が改善傾向にあること、有給取得率のデータを踏まえると、「激務一辺倒」とは言い切れない面もあるでしょう。ただし、現場配属かどうかによって残業実態は大きく異なることが想定されます。就業を検討される方は、配属先や業務内容について面接等で直接確認されることをおすすめします。

なぜこのような噂が広まっているかについては、コーポレートレポート2025で「慣例的な業務の進め方の見直し」や「4週8閉所を前提とした受注」に取り組んでいると記載されている通り、休所の確保が難しい工期設定や現場の慣例といった性質上、特に現場配属の社員は残業が増えやすい構造にあるためと考えられます。そのため「激務」のイメージが定着しやすく、過去の数値(2021年度は月41.8時間)が現在も語り継がれていると推測されます。

参考: 
厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年11月分結果速報」 
大林組「ESGデータブック」 
大林組「コーポレートレポート2025

社員の離職率が高く定着率が低いから?

「離職率が高く定着率が低い」という噂は、誤りといえます

採用ページ「ESGデータブック」によると、離職率は1.5%です。これは建設業の平均離職率である10%と比較しても低水準であり、定着率の高さを裏付けるデータといえます。また、単体の平均勤続年数は約16.4年でこちらも建設業の平均である13.4年を上回っています。

この優れた定着性は、大林組が推進する人的資本投資が現場に深く浸透している成果といえそうです。コーポレートレポート2025によると、大林組は中核事業の人材確保・育成や、成長戦略を実現する人材の獲得に向けた人事制度の構築に注力していることを明記しています。具体的には、次代を担う幹部を抜擢する役職任用の実施や、柔軟な働き方の推進、資格取得に向けた支援制度の充実などに取り組んでいる点が特徴です。こうした、社員一人ひとりがプロフェッショナルとしての成長を描ける環境を整備する姿勢が、長期就業の継続に寄与していると考えられます。

スーパーゼネコンには転勤や現場配属を伴うことから、職場環境とのミスマッチを感じやすいというイメージが根強く「辞める人が多い」という印象につながっている可能性があると考えられます。しかし、実際のデータは低離職率であり、噂と公式データには大きな乖離がある点に注意が必要です。

参考: 
大林組「ESGデータブック」 
厚生労働省「雇用動向調査」 
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 
大林組「コーポレートレポート2025

過去の不祥事や指名停止による経営リスクがあるから?

過去の不祥事や指名停止による経営リスクについては、「不祥事があった」「指名停止の措置を受けた」の部分においてのみ一部事実といえます

大林組が代表を務める共同企業体で施工中の「中央新幹線第四南巨摩トンネル新設(東工区)ほか」において、2024年10月に発生した労働災害に関し、社員が所轄の労働基準監督署に事実と異なる説明を行っていたことについて、2026年3月に大林組および社員2名が労働安全衛生法違反で罰金20万円の略式命令を受けたことが、第122回定時株主総会招集ご通知に記載されています。さらに、この労災事故を巡り嘘の事故原因を報告したとして、山梨県から大林組に対して1か月の指名停止措置が下されています。ただし、大林組はこの事案の発覚後に直ちに全社員向けに注意喚起を行うなど再発防止策を講じており、監査役会も再発防止に向けた実効性のある取り組みに対する監視・検証を行っています。

建設業界に対する過去の不祥事のイメージに加え、近年でも労働安全衛生法違反やそれに伴う指名停止の事案が発生している事実が、「不祥事による経営リスクがある」という懸念につながっていると考えられます。転職を検討するにあたって大林組の経営リスクや将来性を考える際は、「不祥事の有無」だけでなく、「発生後の対応と現在の取り組み姿勢」を含めて評価することが重要といえるでしょう。

参考:大林組「第122回定時株主総会招集ご通知

大規模な建設現場での重大事故が報道されたから?

「大規模な建設現場での重大事故があった」という噂は、事実といえます。2023年9月19日、大林組と大成建設の共同企業体(JV)が施工する東京・八重洲のビル建設現場において、鉄骨が落下し作業員5人が死傷する重大事故が発生しました。一方、大林組はコーポレートレポート2025において、この八重洲での事故の反省と教訓を風化させないため、発生日である9月19日を「9.19 安全の日」と定め、「安全はすべてに優先する」という理念のもと安全管理体制の強化に取り組んでおり、再発防止への姿勢がうかがえます。

大林組のESGデータブック等で開示されている労働災害全体の傾向を見ると、2024年度の死亡災害は2件、休業4日以上の災害件数は46件と記録されています。大林組のような大規模ゼネコンは全国で多数の現場を抱えることを踏まえると、全社的な頻度としてこれらの数値が著しく高い水準にあるとまで公式データから断定するのは適切ではありません。建設業は屋外・高所・大規模作業が多く構造的に労働災害リスクが高いことや、八重洲での死傷事故のような社会的注目度が高い痛ましい事故が大きく報道されたことから、「重大事故の多い会社」というイメージにつながってしまっている面があると考えられます。

参考: 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「ESGデータブック

国内外への転勤頻度が高くライフプランが崩れるから?

「転勤頻度が高くライフプランが崩れる」という噂は、必ずしも事実とはいえません

採用ページ「働き方について」では、勤務地を限定しない「全国型」と、本支店管轄地域内に限定する「拠点型」の2つの勤務区分が明示されています。「全国型」に区分されている社員には全国・海外への転勤が発生し得ることは公式に開示されていますが、個々の転勤頻度の実績データ(年間平均転勤回数等)は公式情報から確認できません。

コーポレートレポート2025によれば、大林組は世界19カ国・地域に海外拠点を持ち、グローバルに多様な事業を展開していることが確認できます。スーパーゼネコンは全国・海外の建設現場に従事する性質上、「転勤が多い会社」というイメージが業界全体に定着していると考えられます。

大林組も全国型の社員には転勤が伴いますが、拠点型という選択肢も制度として存在するため、一律に「ライフプランが崩れる」と断定するには根拠が不十分といえるでしょう。ただし、「拠点型」は全国型の給与の80〜90%(地域係数)に設定されており、転勤の有無によって報酬に差が設けられている点には注意が必要です。就業を検討される方は、勤務区分の選択方針や実際の転勤頻度について、面接等で事前に確認されることをおすすめします。

参考: 
大林組「働き方について」 
大林組「コーポレートレポート2025

売上規模が大きく社員の平均年収が高いから?

「売上規模が大きく平均年収が高い」という噂は、事実といえます

ESGデータブックによると2024年度の平均年間給与は1,140万4,238円(平均年齢42.4歳)に達しており、建設業の平均年収である423万1,200円を大きく上回っています。また、コーポレートレポート2025のデータセクションによれば連結売上高は2024年度に2兆6,201億100万円を記録しており、売上規模の大きさも公式データで確認することが可能です。連結売上高は2020年度の1兆7,668億9,300万円から直近5期で約48%増加しています。大林組は高い収益力を背景に業界上位水準の給与を実現しており、その高年収ぶりが「やばい(驚くほど高い)」という文脈で語られていると考えられます。

参考: 
大林組「ESGデータブック」 
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 
大林組「コーポレートレポート2025

談合事件を起こしているから?

「談合事件を起こしている」という噂は、過去の事実に基づくと事実といえます

大林組はリニア中央新幹線の建設工事において受注調整をしたとして、2018年3月に独占禁止法違反の罪で起訴され同年10月に罰金2億円の判決を言い渡されています。また、公正取引委員会が独占禁止法違反で約31億円の課徴金納付を命じる方針であることが当時は伝えられるなど、国家的プロジェクトでの重大な法令違反として広く報道されました。

一方、大林組はコーポレートレポート2025において定款第3条に「独占禁止法に違反する行為など、入札の公正、公平を阻害する行為を一切行わない」と明記しており、「企業倫理プログラム」や「独占禁止法遵守プログラム」の運用を通じてグループ全体でのコンプライアンス徹底に向けた取り組みを推進しています。過去の課題と誠実に向き合い、透明性の高い組織へと変革を遂げるための具体的な仕組みづくりを継続していることが確認できます。

リニア中央新幹線の談合事件という、社会的に大きな注目を集めた国家的プロジェクトでの独占禁止法違反が広く報道された事実があり、それが「談合事件を起こしている会社」という懸念や強いイメージとして現在も残っていると考えられますが、転職を検討するにあたっては、過去の違反の事実とともに、「現在のコンプライアンス体制への取り組み姿勢」を含めて判断することが重要です。

参考:大林組「コーポレートレポート2025

大量の施工不良を指摘されているから?

「大量の施工不良を指摘されている」という噂は、特定の単一工事での発生についてのみ事実といえます

大林組が請け負った長野県東御市千曲川右岸護岸の災害復旧工事(2019年の台風19号によるもの)において、法留め基礎の一部未施工、胴込めコンクリート充填不足による空洞、ブロック段差・目開きなど、合計約1万3,000カ所の施工不良があったことが2020年12月末に明らかになりました。国土交通省北陸地方整備局の指示を受けて大林組が提出した報告書(北陸地整が2021年1月14日に公表)では、現場に配置した技術者・作業員がともに経験不足であったこと、施工を急ぐあまり品質管理に緻密さを欠いたこと、設計段階からミスがあったことを大林組自身が認めています。

ただし、これはあくまで特定の単一工事での発生事案です。大林組のESGデータブックによると、重大な品質不具合件数は2022年度に2件、2023年度に1件でしたが、2024年度には0件となっており、継続的・全社的に施工不良が多発している状態を示す公式情報は確認できません。台風被災地の護岸工事という緊急性の高い案件で1万3,000カ所超という具体的な施工不良件数が報道により明らかになったため、社会的なインパクトが大きく、「大林組は施工不良が多い会社」というイメージが広まったと考えられます。これは単一工事の事案であり、全社的・継続的な品質問題であると断定できる情報は現時点で確認されていません。

参考:大林組「ESGデータブック

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大林組に向いている人の特徴

大林組に向いている人は、時代に名を刻む大規模プロジェクトで主導的な役割を担いたい人や、建築・土木の技術力・研究開発を深く極めたいと考えている人です。長期にわたるプロジェクトにじっくりと腰を据えて取り組める人も、大林組で活躍しやすいでしょう。

歴史や地図に残る「国家級の巨大プロジェクト」を主導したい人
建築・土木の技術力や研究開発を極めたい人

歴史や地図に残る「国家級の巨大プロジェクト」を主導したい人

大林組に向いている人は、都市スケールの巨大プロジェクトを通じて、長く街に残る構造物の設計・施工に携わりたいと考えている人です

大林組は伝統的に「技術の大林」とも呼ばれ、建築・土木の技術力、研究開発に非常に強いこだわりを持っています。手がける案件は、「東京スカイツリー」(世界一の高さの自立式電波塔)から「TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH」「グラングリーン大阪 パークタワー」などの都市のランドマーク、「東京湾アクアライン」の長距離海底トンネルのような社会インフラまで、時代を象徴するような規模のプロジェクトが目立つことが特徴です。こうした大規模事業では、多数の協力会社を含めた関係者と協働しながら、工期・品質・安全を総合的に管理する役割を担います。コーポレートレポート2025によれば、世界19カ国・地域に海外拠点を持つグローバルな事業展開も続けており、国内外でスケールの大きな仕事に関われる環境が整っています。

単に建物を建てるだけでなく、都市の骨格そのものに関わる仕事であるため、「自分が関わったものが長く街に残り続ける」という充実感を働きがいの中心に置ける人や、「大きければ大きいほど燃える」というリーダー気質を持つ人が活躍しやすい環境といえるでしょう。

参考: 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「3分でわかる大林組

建築・土木の技術力や研究開発を極めたい人

大林組に向いている人は、建設DXや次世代技術の研究開発に携わりながら、専門性を深く磨いていきたいと考えている人です

コーポレートレポート2025によると、大林組は中期経営計画において1,000億円の技術関連投資を予定しているなど、技術開発に積極的な企業です。デジタルツインやクレーン統合管理システム「ORCISM(オーシズム)」などを活用した「ロボティクスコンストラクション(建設プロセスの変革)」といった建設DXへの投資を続けています。また、自社の次世代型研修施設として日本初の高層純木造耐火建築物「Port Plus」(高さ44m・11階建て)を建設するなど、技術水準を引き上げる研究開発にも取り組んでいます。さらに、建設業の枠を超えた長期的な技術探求として「宇宙エレベーター建設構想」も掲げており、スペシャリストが挑戦できる領域は多岐にわたります。現場の施工管理や設計の文脈で知的財産の獲得(独自技術の開発)に携わりたい人、あるいは専門性を武器にしたい技術者にとって、大林組の研究開発環境は格好のフィールドとなるでしょう。

参考: 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「OBAYASHI Thinking『宇宙開発』

大林組に向いていない人の特徴

大林組に向いていない可能性のある人の特徴は、短いサイクルで異なる経験を積み上げるキャリアを志向している人です。また、「自動化」など純粋な建設技術そのものを極めることに一生を捧げたいスペシャリストや、海外での大規模開発事業に入社直後から深く関わりたいと考えている人も、大林組の風土には馴染みにくいでしょう。

短期間で異なる経験を積みあげるキャリアを想定している人
「自動化」など、最先端の建設技術そのものを極めたい人
「海外」での大規模な開発・事業に早くから関わりたい人

短期間で異なる経験を積みあげるキャリアを想定している人

大林組に向いていない可能性があるのは、短いサイクルで異なる職種・事業・部署を渡り歩きながら、超短期的にキャリアアップしていきたいと考えている人です

3分でわかる大林組によると、大林組が手がけるプロジェクトは、「東京スカイツリー」「TAKANAWA GATEWAY CITY THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH」「2025年日本国際博覧会協会 大屋根リング」といった、着工から竣工まで数年単位の期間を要する都市スケールの大規模案件が中心です。また、新卒採用サイトの「プロジェクトストーリー」でも、「北海道ボールパークFビレッジプロジェクト」「品川新駅(高輪ゲートウェイ駅)プロジェクト」「首都高リニューアルプロジェクト」といった大規模案件が紹介されており、一つの現場に深く時間をかけて技術と信頼を積み上げることが成長の基本的な時間軸となっていると考えられます。

「短いサイクルで次の仕事・部署・会社へ移り、素早く経験を蓄積したい」という志向を持つ場合、ゼネコン固有の長期プロジェクトの時間軸とずれが生じやすくなるでしょう。

参考: 
大林組「3分でわかる大林組」 
大林組「プロジェクトストーリー

「自動化」など、最先端の建設技術そのものを極めたい人

大林組に向いていない可能性があるのは、「自動化・ロボット施工」など純粋な建設技術そのものを極め、技術開発に一生を捧げるスペシャリストを目指している人です

大林組も建設DX(BIMなど)や技術研究所での研究開発に取り組んでいますが、近年の戦略的な注力領域として、宇宙エレベーター構想・浮体式洋上風力(TLP型)・グリーン水素サプライチェーン・グリーンエネルギー事業など、建設の枠を超えた「新領域のビジネス開発」にも注力しています。コーポレートレポート2025に記載された中期経営計画では5事業分野(国内建設事業、海外建設事業、開発事業、グリーンエネルギー事業、新領域ビジネス)への事業展開方針が示されており、「純粋な建設マニアとして施工技術・ロボット施工の深化だけに注力したい」という志向とは、会社が向かう全体的な方向性とやや異なる可能性があります。なお、2026年5月には世界初の「TLP型ハイブリッド浮体式洋上風力発電施設」の基本設計承認を日本海事協会から取得するなど、グリーンエネルギー事業への技術開発投資が目立っています。

「ロボット施工・完全自動化」の分野でより直接的な開発環境を求めるなら、当該領域に特化した研究開発投資を行う他のスーパーゼネコン等のほうが、打席が多い可能性があると考えられます。

参考: 
大林組「OBAYASHI Thinking『宇宙開発』」 
大林組「ニュースリリース」 
大林組「グリーンエネルギー事業」 
大林組「コーポレートレポート2025」 \

「海外」での大規模な開発・事業に早くから関わりたい人

大林組に向いていない可能性があるのは、入社後できるだけ早く海外のプロジェクトに関わり、現地での開発事業(建設だけでなく、土地を開発して利益を出すビジネス)まで担いたいと考えている人です

大林組は北米・東南アジア・オセアニアに現地グループ会社を有し、2026年6月にはMultiplex社(豪州・英国・カナダ)の子会社化を公式に発表するなど、海外展開自体は継続して強化しています。ただし、大林組の海外展開は「建設工事の施工」を主体とした事業構造が基本です。大林グループ全体の売上高構成比(2024年度実績)を見ると、海外建設事業が28.9%を占めるのに対し開発事業(国内含む全体)は2.8%にとどまっており、あくまで国内外の「建設事業の施工」が中核の事業構造であることがわかります。現地での不動産開発・土地開発を自ら行う「デベロッパー型の海外開発事業」の規模・実績は限定的といえるため、「海外で開発事業そのものを動かしたい」という志向を持つ人は、国内中心のグリーンエネルギー・開発事業への投資が目立つ近年の戦略方向をややミスマッチに感じるかもしれません。入社直後から「海外の開発事業そのものだけを動かしたい」と考えている人にとっては、配属やキャリアパスの面でギャップを感じる可能性があるでしょう。

参考: 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「ニュースリリース

大林組によくある質問

大林組への転職でよくある質問を洗い出しました。「大林組における年収推移の目安は?」「中途面接で重視される評価基準は?」「年功序列の風土があるか?」など、気になることがある方はチェックしてみましょう。

大林組における年収推移の目安は?

ESGデータブックによると2024年度の平均年間給与は1,140万4,238円(平均年齢42.4歳)に達しており、高い水準の給与体系となっています。年代別や役職別の具体的な年収推移は公式に開示されていません。なお、「大卒総合職の場合、入社後は年功序列をベースに昇給する」というイメージが根強いですが、職能等級から「職務主体の報酬体系」への移行や、次代を担う幹部を抜擢する役職任用など、人事制度の抜本的な見直しが大林組で進行している点には注意が必要です。

参考: 
大林組「ESGデータブック」 
大林組「コーポレートレポート2025

大林組の中途面接で重視される評価基準は?

中途面接の具体的な評価基準は公式には記載されていませんが、コーポレートレポート2025内で施工管理にかかる重点資格(一級建築士や1級施工管理技士など)の取得が奨励されていることから、対象資格の保有、あるいはそれに準ずる高い技術的素養が選考を有利に進める上でアドバンテージになり得るといえそうです。また、大林組では事業ポートフォリオ拡充に向けて「イノベーション人材」や「グローバル経営人材」の育成・確保を課題として挙げているほか、他者と連携する協働性も、求める人材像の重要な要素としています。チームで動ける協調性と、自分で考えて動ける自律性の両方を、具体的なエピソードで示せる必要がありそうです。

そのほか、大林組が手がけるのは数百億〜数千億円規模のプロジェクトが中心です。前職の経験を話す際は、規模・関係者の多さ・複雑さといった要素を意識して伝え、「大林組の現場でも通用する」というイメージを持ってもらうことが重要です。

参考:大林組「コーポレートレポート2025

大林組には年功序列の風土がありますか?

年功序列的な要素は残しつつも、職務主体の報酬体系への移行が進行中であり、「完全な年功序列」とは言いにくい状況ですコーポレートレポート2025によれば、大林組では「現行の職能等級に連動した役職と報酬体系から、職務主体の報酬体系に移行」することや、「経験を重視した人材配置から、適正な組織編成と次代を担う幹部を抜擢する役職任用の実施」が進められており、若い世代からのリーダー創出を目指す取り組みが記載されています。また、一級建築士等の重点資格の取得が推進されているとともにあるべき人材像として「会社のビジョンに共感し、自ら機会を捉え周囲の仲間と協働しながら真摯に自己実現を志向する人材」が定義されており、これまでの年功序列的な要素が含まれる職能等級や経験重視の配置から、職務・抜擢を主体とする基盤への移行が読み取れます。

ただし、制度改革の途中段階であることや、現場ごとの実態については公式データからは確認できないため、「完全に年功序列が払拭された」と断言するのは難しい状況です。各部署の実態については、選考の場で直接確認することが大切です。

参考:大林組「コーポレートレポート2025

大林組が「やめとけ」といわれる理由は何ですか?

大林組が「やめとけ」といわれる主な理由は、「長時間労働」「離職率の高さ」「談合・指名停止・施工不良などの不祥事」といった噂によるものです。ただし本記事で検証したとおり、これらの噂がすべて事実とは言えません。離職率はESGデータブックによると1.5%と低水準であり、月平均残業時間(32.8時間)は業界平均より高いものの改善傾向にあります。(数値はいずれも2024年度)噂の中には一部事実に基づくものや、最新情報との確認が必要な論点も含まれますので、転職を検討される方は公式サイトや選考の場で正確な情報をご確認いただくことをおすすめします。

参考: 
厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年11月分結果速報」 
大林組「ESGデータブック」 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「3分でわかる大林組」 
厚生労働省「雇用動向調査」 
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」 
大林組「第122回定時株主総会招集ご通知

大林組の面接時に聞いておくべき質問

大林組へ転職するにあたって、面接の最後にある「逆質問」はアピールの場であると同時に、あなた自身が企業を評価する貴重なチャンスです。ここでは、大林組の面接時に聞いておくべき質問を3つご紹介します。

早期から現場を任せてもらえるためのマインドセットについて(施工管理職)

聞き方のNG例

経験者採用の場合、入社後はどのような研修を経て独り立ちとなりますか?

聞き方のお手本例

前職では施工管理として大型現場に携わってきた経験から、職人さん・社内関係者・発注者など多くの関係者の信頼を積み上げることが、プロジェクト全体の工期・品質・安全を守る根幹だと実感しています。中途採用から短期間で現場を任され、「自分の判断で現場を動かしている方」に共通する、御社特有のマインドセットや日々の立ち回りの工夫があれば、ぜひ教えていただけますでしょうか。

1つ目は、「経験者採用における早期戦力化のマインドセット」に関する質問です

NG例のように「どのような研修を経て独り立ちとなりますか?」と聞くだけでは、制度や仕組みを受け取る側の受け身な姿勢に映りやすく、大林組が求める即戦力人材という印象から離れてしまう可能性があります。お手本例のように「1日でも早く戦力になりたい」という意欲を前置きした上で、実際に活躍している先輩社員のマインドセットや立ち回りの工夫を聞く形にすることで、「主体的に現場を動かそうとしている人材」という印象を自然に伝えられるでしょう。

経験者採用情報では「つくるを、つくり変えろ。」というメッセージが掲げられており、「北海道ボールパークFビレッジプロジェクト」や「品川新駅(高輪ゲートウェイ駅)プロジェクト」といった大規模案件のプロジェクトストーリーが紹介されています。これらの情報から、大林組ならではの都市スケールのプロジェクトにおいて、即戦力としての期待値が高いことがうかがえます。

大規模案件では職人・社内関係者・発注者など多くの関係者との信頼構築が現場運営の要となるため、「いかに早く自分の判断で現場を動かせるようになるか」は入社後の最初の関門といえます。

参考:大林組「経験者採用情報

グリーンエネルギー事業に施工・技術側から関与するためのキャリアパスについて

聞き方のNG例

前職では国内建設の大型現場を中心に経験を積んできましたが、入社後に希望した場合グリーンエネルギーなどの事業にも挑戦できるのでしょうか?

聞き方のお手本例

前職では国内建設の大型現場(施工管理)を中心に経験を積んできたため、技術者として国内施工の実績を足場に、グリーンエネルギーのような新領域へのキャリアパスを描きたいと考えています。施工管理の経験者として入社した場合、どのような実績を積み、何を達成すれば洋上風力やバイオマスといったグリーンエネルギー事業の現場に関わるステップアップにつながるのか、社内で求められる評価基準について教えていただけますでしょうか。

2つ目は、「グリーンエネルギー事業へのキャリアパス」に関する質問です

NG例では「希望すれば挑戦できますか?」という漠然とした質問にとどまっているため、会社の戦略を読み込んでいるかどうかが面接官に伝わりにくくなります。お手本例のように前職経験を起点に動機を示したうえで、コーポレートレポートで確認した中期経営計画の方向性に言及して聞くことで、「会社の5事業戦略を読み込み、自分の技術者キャリアと重ねて考えている人材」という印象を与えられるでしょう。

コーポレートレポート2025に記載された中期経営計画では、国内建設・海外建設・開発・グリーンエネルギー・新領域ビジネスの5事業への展開と、「国内建設以外(それ以外の事業)が国内建設と同等以上の業績を創出する」という持続的成長の方向性が明記されています。グリーンエネルギー事業では、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーによる発電事業や、国内外でカーボンフリーなグリーン水素の社会実装をめざした事業などが推進されています。技術者として国内建設の施工経験を足場に、こうした再エネ施設建設や関連事業へ移るルートが実際にあるかどうかは、長期キャリアの設計に直結する確認事項です。

参考: 
大林組「コーポレートレポート2025」 
大林組「グリーンエネルギー事業

工事事務所の施工管理担当者がROIC逆ツリーを使って原価・工程を管理する具体的な場面について

聞き方のNG例

目標管理はどのようにされていますか?

聞き方のお手本例

御社のコーポレートレポートを拝見し、ROIC逆ツリーを個人目標にまで落とし込む徹底した財務・経営意識の高さに強く感銘を受けました。経験者採用で入社した施工管理担当者が、まずは最初の現場でROIC向上(適切な工程管理や工事収支の最適化)に直接貢献していくにあたり、最初の数ヶ月〜半年などの短期間で現場から期待される具体的な行動基準や達成すべき指標があれば、教えていただけますでしょうか。

3つ目は、「入社直後の施工管理担当者に求められるROIC貢献の具体的な行動基準」に関する質問です

NG例の「目標管理はどのようにされていますか?」は抽象的すぎて、どの企業にも使い回せる質問になってしまいます。お手本例のように「コーポレートレポートを読み込んだ上で感銘を受けた」という具体的な動機を示しながら、「入社後の短期間で何をどう貢献すべきか」という実務レベルの問いに落とし込むことで、「経営視点と現場感覚を兼ね備えた、即戦力としての覚悟がある候補者」という印象を与えられるでしょう。

大林組は中期経営計画においてROICを経営指標(中期的に5%以上)に採用しており、コーポレートレポート2025のトップメッセージにおいて、「ROIC逆ツリーを社員個人レベルの目標設定に導入することにより、各人が行っている業務が資本効率、ひいては営業利益への寄与を通じて当社グループの業績にどのように貢献しているかを理解できるようにしています」と公式に明示されています。

経営指標と現場業務の接続を入社前から具体的にイメージしておくことで、着任直後から財務感覚を持って現場に臨める状態を作れます。

参考:大林組「コーポレートレポート2025

大林組についての詳細

大林組は国内建設事業を中核としつつ、多角的な領域においてグローバルな事業ポートフォリオを構築している企業です。主要事業である国内建設事業では、木造・木質化建築やZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)といった環境配慮型建築の取り組みを推進しています。土木分野では既存インフラの長寿命化・機能強化にも注力し、建設DXによる自動・自律化技術の開発・適用で生産性と安全性の向上を実現しています。また、国内建設事業で培った高い技術力を核に、北米・東南アジア・オセアニアなど各地域におけるグローバルな事業展開を推進している点も特徴です。そのほか、シリコンバレーでのオープンイノベーション拠点を通じた革新的なデジタル技術の共同研究・開発や、建設現場の人・物・作業の情報をデータ化する「デジタルツイン」など、技術革新への積極的な投資が大林組の競争力を支えています。

事業・仕事内容

大林組の具体的なビジネスは、「国内建設事業(建築・土木)」「海外建設事業」「エンジニアリング事業」「開発事業」「グリーンエネルギー事業」「新領域ビジネス」の6つの分野で構成されています。国内建設の建築事業ではオフィスビル・商業施設・病院や学校・工場など多種多様な建物を手がけているほか、土木事業では道路・トンネル・ダム・鉄道といったインフラの建設に加え、既存インフラの維持・更新や長寿命化も担っています。また、太陽光・風力・木質バイオマス・地熱・水力といった再生可能エネルギーによる発電事業やグリーン水素の社会実装をめざす「グリーンエネルギー事業」、私募ファンドの活用によるキャピタルゲインの獲得やロンドン・バンコクをはじめとするグローバル市場での優良資産の開発・取得・保有を行う「開発事業」も展開しています。これらの既存事業とのシナジーを活用し、建設事業で培った技術・ノウハウにデジタル技術を掛け合わせることで、顧客提供価値の改善と新たな価値創出を推進しています。

事業分野主な内容
国内建設事業(建築)オフィス・商業施設・医療・教育施設などの設計・施工
国内建設事業(土木)道路・トンネル・ダム・鉄道など社会インフラの建設・維持管理
海外建設事業北米・東南アジア・オセアニアを中心とした海外プロジェクトの施工
開発事業都心部優良賃貸不動産の開発・保有・運営、グローバル資産取得
グリーンエネルギー事業太陽光・風力・バイオマス・地熱・水力による再生可能エネルギー発電
新領域ビジネス建設DX・都市プラットフォーム・宇宙エレベーター構想など次世代事業

参考: 
大林組「事業」 
大林組「国内建設事業(建築)」 
大林組「国内建設事業(土木)」 
大林組「開発事業」 
大林組「グリーンエネルギー事業」 
大林組「新領域ビジネス」 
大林組「コーポレートレポート2025

大林組の会社概要

会社名株式会社大林組
設立1936年12月
代表者代表取締役社長兼CEO 佐藤 俊美
資本金577.52億円
本社所在地東京都港区港南2丁目15番2号
公式Webサイト大林組
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