ロームに転職するには?選考対策と応募条件、中途採用情報を解説!

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ロームの採用基準

ロームの中途採用は、技術・IT系や営業、経理など、職種別の即戦力を求める求人が中心です。

2025年度の中途採用は3人で、中途採用比率は2.1%でした。2026年9月時点では11求人を公開募集しており、これらに該当職種がない場合は、キャリア登録を行うことでマッチした職務があれば案内を受け取れます。募集中の求人は「実務3〜5年以上の即戦力」と「SiC・パワー・システム強化」に集中しているのが特徴です。

以降の見出しで、採用枠の大きさや応募要件、異業種からの入社実績を順に確かめます。

ロームの中途採用比率

ロームは中途採用比率とあわせて中途採用人数も公表しており、直近の実績で見る限り、中途採用は狭き門と読み取れます。中途採用比率は2021〜2023年度は33〜37%程度で推移していましたが、2024年度に17.4%、2025年度に2.1%へ急低下しました。2025年度は採用人数合計145人のうち、中途採用は3人です。

年度中途採用比率
2023年度34.5%
2024年度17.4%
2025年度2.1%

人数で見ると、2021年度76人、2022年度89人、2023年度86人と推移したのち、2024年度に30人、2025年度に3人へ減っています。2021年度の中途採用比率は36.7%、2022年度は33.1%でした。

ただし、募集自体は止まっていません。2026年9月時点では、営業や技術、IT、経理など11求人を公開募集しています。公開中の職種区分は次のとおりです。

  • 営業(日系車載)
  • アプリケーションエンジニア
  • 半導体デバイス研究
  • 経理(財務・税務)
  • SiCデバイス開発
  • 社内SE
  • GaNシステム設計

採用枠が絞られている時期ほど、募集中の職種の要件にどれだけ正確に当てはまるかが、通過を左右すると読み取れます。

なお、平均勤続年数は14年(2026年3月期)で、離職率は2025年度に単体10.4%(連結6.3%)となっています。

出典:
ローム「ESGデータ」
ローム「有価証券報告書」
ローム「キャリア採用」

ロームの採用要件

ロームの必須要件は、同じ職種での実務年数を求めるものと、パワーデバイスや半導体の開発・設計経験を求めるものの2系統に分かれます。2026年9月時点で確認できた11求人(8職種区分)の必須要件は次のとおりです。

職種必須要件
営業(日系車載)営業経験3年以上
アプリケーションエンジニアパワーデバイスのセット設計の実務経験
半導体デバイス研究半導体プロセス設計またはデータサイエンスの知識や経験
経理(財務・税務)税務もしくは財務の実務経験5年以上
SiCデバイス開発半導体デバイスのライン、または半導体ウエハプロセス開発の実務経験
社内SE業務系システムの設計、開発経験が5年以上
GaNシステム設計パワエレ関係での電源設計経験3年以上、英語による技術ディスカッションや資料作成、プレゼンなどのスキル

公開中の求人を横断すると、実質的な応募基準は「同じ職種での実務3〜5年以上」と読み取れます。年数要件と技術経験要件は、いずれも3職種以上で繰り返し書かれており、全社に共通する傾向といえます。

必須要件の傾向として、次の3点が読み取れます。

  • 実務年数:営業、経理、社内SE、GaNで3〜5年以上
  • 技術経験:技術職4職種で開発・設計の経験を必須
  • 英語:必須としているのはGaNシステム設計の1職種

英語を必須に置く職種は1つで、全社の要件とまではいえません。ただし、アプリケーションエンジニアや半導体デバイス研究、経理、社内SE2職種の計5職種で、英語が歓迎要件や語学欄に記載されています。アプリケーションエンジニアの求人では「TOEIC750が望ましいが、600以上であれば問題なし」とされており、海外とのやり取りが前提の職場といえるでしょう。

また、歓迎要件も職種によって傾向が分かれます。

  • 英語:技術職や経理、社内SEの5職種で歓迎
  • 資格:税理士資格を歓迎するのは経理

資格に関する記載があるのは経理で、ほかの職種の求人には資格の記載はありません。

歓迎要件は必須要件を満たしたうえでの加点材料であることは留意が必要です。ただし、満たしていないだけで選考対象から外れるわけではありません。

職務経歴書には「年数」と「何を設計・開発・交渉したか」を具体的に書くと、要件との対応が伝わります。英語は、技術資料の作成や海外顧客とのやり取りなど、使った場面まで添えると評価につなげやすくなるでしょう。

出典: ローム「キャリア採用」

ロームの未経験・異業種の採用実績

ロームは異業種からの入社実績がある一方で、未経験者を受け入れるかどうかは職種によって異なります。公開中の求人11件のうち、「未経験可」と明記したものは0件です。異業種出身の場合も、経理なら税務・財務、社内SEなら業務システム開発というように、職種そのものの経験が前提になるでしょう。

職種業種未経験職種未経験
経理(財務・税務)可不可
半導体デバイス研究可不可
SiCデバイス開発一部可不可
営業(日系車載)記載なし不可
社内SE記載なし不可
アプリケーションエンジニア不可不可
GaNシステム設計不可不可

異業種からの入社実績は、公式クロストークで確認できます。

たとえば、外資系コンサルティング企業から「実業の経験」を求めて転職したTさんは、人事やマーケティング、経営企画室などで会社を変えるための業務に数多く携わっています。また、税理士法人から「会社の中に入って挑戦したい」と経理職へ転じたHさんや、銀行の営業職からものづくりの魅力に惹かれて人事職へと転じたYさん、同業の技術者から挑戦を求めて品質管理職へ転職したSさんなど、異業種・同業他社問わず多様な転職成功事例が存在します。

出典:
ローム「キャリア採用」
ローム「クロストーク TALK03」

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なお、以下からのコンテンツはPRを含みます。

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ロームの選考対策

ロームのキャリア採用選考は、書類選考とWeb適性検査のあとに面接2回という一般的な流れで行われます。応募はWebエントリー後にマイページにて選考プロセスの詳細が案内される仕組みです。

選考フロー

 
 
01
書類選考
02
適性検査
03
一次面接
04
最終面接
05
内定
06
入社

書類選考とWeb適性検査を経て一次面接に進み、最終面接は配属予定の部署が担当します。選考フローのページは新卒とキャリアで共通ですが、新卒が一次面接、二次面接、最終面接と3回面接が実施されるのに対し、キャリア採用では二次面接が実施されません。そのため、キャリア採用の面接は一次面接と最終面接の2回です。ただし、職種内容によって選考の内容や回数が変わる場合があります。

出典: ローム「選考フロー」

ロームのよくある選考の落とし穴

ロームの選考を受けるうえでは、応募者が陥りがちな「選考の落とし穴」を把握しておくことが大切です。ここでは有価証券報告書や求人などの公式情報をもとに、評価されにくいアピールと評価に繋がる伝え方の違いについて解説します。なお、以下は採用情報から読み取れる評価軸に対する考察であり、実際に公表された選考基準ではありません。

「SiC技術に携わりたい」を動機の中心に据えてしまう

「世界をリードするSiC技術に携わりたい」という気持ち自体は否定されませんが、それを志望動機の中心に据えると、ロームでは投じた技術を売上と利益に変える局面にあることが見えていない人材だと受け取られる可能性があります。

中期経営計画によると、ロームは第2期の施策の筆頭に「SiC事業収益性改善」を置いており、面接官が確かめたいのが技術への関心の強さではなく、すでに投じた技術で利益を出すことにどう関われるかに移っているからです。有価証券報告書(2026年3月期)でも、BEV市場の成長見通しが従来想定を下回ったことから、SiC事業の固定資産を中心に減損損失1,936億円を計上したと説明されており、作る力に対して売れる量が追いついていないことがうかがえます。

携わりたい気持ちを中心に据えるのではなく、「SiCに携わりたいからこそ、顧客のシステム設計に入り込んで採用を勝ち取った経験を収益性改善に生かしたい」のように、その技術で利益を出すために自分が何をできるかを伝えることが有効です。

参考:
ローム「中期経営計画」
ローム「有価証券報告書」

「新ラインを立ち上げたい」と語ってしまう

「設備投資で成長を続ける御社で新ラインを立ち上げたい」という希望自体は前向きですが、それを志望の軸に置くと、ロームでは設備投資を抑えて利益を確保する今の局面を読み違えている人材だと見られやすくなります。

中期経営計画によると、ロームは第1期の反省として「過剰な設備投資や在庫」を挙げ、第2期を「利益体質」への転換期間と位置づけており、面接官が確かめたいのが新しい設備を動かす意欲ではなく、いまある資産で利益を出すことにどう関われるかだからです。有価証券報告書(2026年3月期)を見ると、大連の製造子会社を2026年中に譲渡する予定と記載されており、設備投資の抑制にとどまらず、採算の合わない生産拠点の整理まで実際に進んでいることがうかがえます。

この流れを踏まえると、立ち上げへの意欲を軸に据えるのではなく、「新ラインの立ち上げ経験で培った原価の見方を生かし、前職で製造原価を△%削減した経験を利益体質への転換に役立てたい」のように、同じ経験を利益を出す側から語り直して伝えることが有効です。

参考:
ローム「中期経営計画」
ローム「有価証券報告書」

「今の組織で専門を深めたい」を軸にしてしまう

「今の組織で長く専門を深めたい」という志向自体は自然ですが、それをキャリアプランの軸に据えると、ロームでは事業や組織の枠組みが動く前提を共有できていない人材だという印象を与えかねません。

有価証券報告書(2026年3月期)によると、ロームは対処すべき課題に「経営統合を含めた事業規模の確保」を挙げており、面接官が見ているのが専門性の深さそのものではなく、組織の形が変わってもその専門性で成果を出し続けられるかだからです。実際にIRニュースリリース(2026年3月27日)では、東芝デバイス&ストレージの半導体事業および三菱電機のパワーデバイス事業との事業・経営統合に関する協議開始の基本合意書を締結したと発表されており、組織の枠組みが会社をまたいで動き始めていることがうかがえます。

そのため、今の組織が続く前提で専門性を語るのではなく、「統合や再編で所属が変わっても、〇〇の専門性を軸に新しい体制で成果を出し続けたい」のように、深めたい専門性を変化のなかでどう生かすかとセットで伝えることが有効です。

参考:
ローム「有価証券報告書」
ローム「IRニュースリリース」

ロームの想定質問

ここでは、ロームの選考で聞かれるであろう想定質問をまとめました。応募・選考を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q1.当社のパワー半導体を顧客の製品に採用してもらうために、あなたの経験をどう生かしますか

面接官が知りたいのは、技術や営業の経験を顧客の採用と売上につなげた筋道を、自分の言葉で具体的に語れるかどうかです。そのため回答は、顧客が抱えていた課題を先に置き、提案した設計や売り方、採用と売上の結果の順で1件を話すと伝わりやすくなります。

キャリア採用の求人では募集背景に「売るための技術の強化」が置かれ、アプリケーションエンジニア(車載・産機アプリケーション)の職務内容には「顧客セット設計に入り込み、回路で提案すること」と明記されています。つまり、デバイスを作る力だけでなく、顧客の製品の中に入り込んで採用を取りに行く人材を求めていると読み取れます。クロストーク TALK01でも、営業が技術者を顧客提案に同席させて採用を得た事例が語られており、技術と営業が組む進め方が現場で機能していることがうかがえます。

面接官が具体的にチェックしているポイントは以下の3点です。

  • 顧客課題の具体性
  • 提案と自分の役割の切り分け
  • 採用・売上という結果

以上を踏まえ、説得力のある回答を作るためには、「顧客に寄り添った」「技術力で貢献した」といった抽象的な表現を避け、面接官が情景を思い浮かべられる具体的な行動を入れることが重要です。以下のポイントを意識して構成を組み立ててください。

項目盛り込むべき具体的な内容
顧客が抱えていた設計課題顧客の製品でどの性能(効率・発熱・サイズなど)が壁になっていたかを1つに絞って述べる
採用を取りにいった提案の中身顧客の回路やシステム設計に入り込んで提案した内容と自分が担った工程を切り分けて示す
採用と売上に結びついた結果新規採用に至った件数や売上規模を数字で示す(例:「△件の新規採用・年間□億円」)

出典:
ローム「キャリア採用」
ローム「アプリケーションエンジニア(車載・産機アプリケーション)」
ローム「クロストーク TALK01」

Q2.「利益体質」への転換に向けて、価格改定やコスト削減をやり切った経験はありますか

ここで見られているのは、社内外から反発が出る場面で、利益を守る判断を最後まで押し通せる人かどうかです。答えるときは、数字を先に置き、次に反対と説得の経緯、最後に巻き込んだ部門の順で話すと説得力が増します。

中期経営計画では、不採算事業の縮小および撤退と、設備投資の適正水準への抑制が掲げられており、売上を伸ばすよりも利益を残す仕事が優先される局面にあると読み取れます。営業(日系車載)の求人を見ると、職務内容に「変更廃番申請・価格折衝」と書かれており、値上げや廃番を顧客に切り出す役割が営業の職務に組み込まれていることがうかがえます。職務経歴書に成果が書かれていても、縮小や値上げの場面でどう動いたかは面接でしか確かめられません。クロストーク TALK03でロームの強みに「目的を共有したときの団結力とスピード感」が挙げられている点も踏まえると、反発のある場面で目的を共有して周囲を動かした経験は、ロームの職場と結びつけやすい材料です。

面接官が具体的にチェックしているポイントは以下の3点です。

  • 利益改善の数字
  • 反発の中身と説得の手順
  • 周囲を巻き込んだ進め方

以上を踏まえ、説得力のある回答を作るためには、「コスト意識を持って取り組んだ」「粘り強く交渉した」といった抽象的な表現を避け、面接官が情景を思い浮かべられる具体的な行動を入れることが重要です。以下のポイントを意識して構成を組み立ててください。

項目盛り込むべき具体的な内容
利益を改善した実績の数字価格改定・原価低減・製品整理のどれで利益をいくら改善したかを金額か率で示す(例:「△品目の価格改定で粗利を□%改善した」)
反発が出た場面と説得の手順顧客や社内のどこから反対が出て、どの順番で誰に何を示して合意を取ったかを述べる
目的を共有して動かした関係者巻き込んだ部門と共有した目的を一言で示す

出典:
ローム「中期経営計画」
ローム「営業(日系車載)」
ローム「クロストーク TALK03」

Q3.組織や制度が大きく変わるなかで、成果を出した経験を教えてください

この質問で面接官が確かめたいのは、組織の枠組みが変わる局面を前提として受け止め、その中で自分から役割を取りに行ける人かどうかです。回答する際は、前職で前提が変わった場面を先に示し、そこで自分が引き受けた役割、最後に維持・向上させた成果の順で組み立てると伝わりやすくなります。

有価証券報告書(2026年3月期)によると、ロームは2026年4月1日付で国内製造子会社を3社から2社へ再編しており、東芝デバイス&ストレージ・三菱電機との統合協議も進んでいます。つまり、入社後に所属や担当が動くことは例外ではなく前提だと読み取れます。クロストーク TALK03では、新卒・キャリアの区別なく本人の意志を重視する社風が語られており、変化の場面で自分から手を挙げる姿勢が会社の求める姿と重なることがうかがえます。

面接官が具体的にチェックしているポイントは以下の3点です。

  • 変化した前提の具体性
  • 自分から取りに行った役割
  • 変化の中で守った数字

以上を踏まえ、説得力のある回答を作るためには、「柔軟に対応した」「環境の変化に強い」といった抽象的な表現を避け、面接官が情景を思い浮かべられる具体的な行動を入れることが重要です。以下のポイントを意識して構成を組み立ててください。

項目盛り込むべき具体的な内容
前提が変わった場面の描写合併・組織改編・システム刷新など何が変わったかを時期と規模(対象人数・拠点数)つきで述べる
自分から引き受けた役割指示を待たず自分から提案して担った役割と、その判断をした理由を示す
変化の中で維持・向上させた成果再編のさなかに守った品質・納期・売上を数字で示す(例:「移管期間中も納期遵守率△%を維持した」)

出典:
ローム「有価証券報告書」
ローム「クロストーク TALK03」

ロームの志望動機の組み立て

ロームの選考を受けようと考えている方に向けて、志望動機の立て方の参考例をお伝えします。ぜひとも選考にお役立てください。

「成長投資に共感した」ではなく「利益率をどう上げたいか」を語る

非推奨例

「SiCをはじめ積極的な設備投資で成長を続ける御社で、新ラインの立ち上げに携わりたい」

推奨例

「設備投資を適正水準に抑えつつ利益体質への転換を進める今、製造原価を△%下げた経験で営業利益率の引き上げに貢献したい」

非推奨例のように成長投資への共感を前面に出すだけでは、ロームの今の局面を読み違えていると受け取られやすくなります。拡大期のロームを知っていると善意からこうした動機を語りがちですが、中期経営計画は第2期の方針として設備投資の適正水準への抑制を掲げており、新ラインを増やす段階ではないからです。投資に共感すること自体は否定されていませんが、それが「拡大に乗りたい」と聞こえるか「利益を出す側に回りたい」と聞こえるかで評価は変わります。

推奨例の強みは、会社が転換の途中にあることを理解したうえで、自分の実績をその方向に重ねている点にあります。有価証券報告書(2026年3月期)によると、連結の営業損益は2025年3月期の営業損失400億6,100万円から2026年3月期に営業利益108億6,400万円へ転じており、固定費削減の効果が利益として表れ始めた段階です。中期経営計画はさらに2028年度に売上高5,000億円以上、営業利益率20%以上という目標を掲げているため、原価やコストを下げた経験を数字で語れる人は、この目標に直接効く人材として映ります。

企業の転換期を支える視点を示せれば、局面を正しく理解していることと即戦力であることを同時に伝えられるでしょう。

参考:
ローム「中期経営計画」
ローム「有価証券報告書」

「EVの成長に惹かれた」ではなく「どの用途で何をしたいか」を語る

非推奨例

「EV市場の急拡大を牽引するSiCパワー半導体に惹かれた」

推奨例

「車載に加え、産業機器やAIサーバーへと用途を広げる局面で、△kW級の産業用電源を□件設計した経験を生かし、車載以外の採用を広げたい」

非推奨例が不十分なのは、EVへの期待という前提そのものが見直されているからです。有価証券報告書(2026年3月期)では、BEV市場の成長見通しが従来想定を下回ったことが説明されており、EV一本に動機を置くと、見通しが変わるたびに説得力を失う組み立てになります。ロームの成長シナリオがEVだけで語られなくなった以上、面接官は「EV以外のどこで貢献できる人か」に目を向けると考えられます。

一方で、用途の広がりに自分の経験を重ねた推奨例は、中期経営計画が掲げる方向と自然に一致します。中期経営計画は、パワーデバイスとLSI(アナログ)を軸に自動車での成長を実現しつつ、産業機器と民生その他(サーバー、家電等)も強化すると明記しており、AIサーバー関連では2030年度に売上300億円という目標を置いています。つまり、車載以外の用途で電源やシステムの設計を担った経験は、会社が次に伸ばそうとしている領域にそのまま重なります。どの用途で何件の設計をしたかまで示せれば、注力分野を具体的に理解していることと結びつけて伝えられるでしょう。

参考:
ローム「有価証券報告書」
ローム「中期経営計画」

「技術力に惹かれた」ではなく「採用を勝ち取った経験」を示す

非推奨例

「SiCで業界をリードする高い技術力のもとで、デバイス開発を極めたい」

推奨例

「顧客の電源システム設計に入り込み、自社デバイスで□件の新規採用を獲得し、年間△億円の売上につなげました」

「技術力に惹かれた」という語り方は、ロームでは「作る側に立ちたいが、売る側の役割は見えていない」と受け取られやすくなります。GaNを活用したシステム設計の求人には、従来の半導体設計と商品化のビジネスモデルだけでは顧客の期待を上回ることが難しくなっていると明記されており、デバイスの技術力そのものを会社が訴求点にしていないからです。技術力に惹かれること自体は否定されていませんが、その技術を誰に・どう売るかまで語れないと、求人が置く課題に答えていない印象が残ります。

採用を勝ち取った経験を数字で語れる点が、推奨例の評価につながります。キャリア採用で2026年9月時点に公開されている求人のなかには、募集背景がSiC・パワー・システムの強化のものがあり、技術を顧客のシステムに組み込んで売る人材を職種横断で求めていることがうかがえます。顧客の設計に入り込んで採用を取り、売上まで追った経験は、この募集背景にそのまま答える材料です。件数と金額まで示せれば、デバイスの強みを採用と売上に変える役割を担える人材だという印象を残せます。

参考:
ローム「GaNを活用したシステム設計」
ローム「キャリア採用」

「安定した基盤で長く」ではなく「再編のなかで何を担うか」を前に出す

非推奨例

「安定した経営基盤のもとで腰を据えて長く働きたい」

推奨例

「事業・組織の再編が進む中で、募集職務の〇〇を担い、成果で評価される環境で力を発揮したい」

非推奨例の「安定した基盤で長く」は一見前向きな定着意欲ですが、ロームでは組織の枠組みが動く前提を共有できていないと受け取られやすくなります。有価証券報告書(2026年3月期)は人財の方針として、職務記述を明確にした求人、成果に報いる人事評価制度の構築、人財の流動性を高めることを掲げているからです。つまり、同じ場所に長くいること自体より、職務記述に沿った成果を出し、必要に応じて役割を移れることが評価の軸になっていると読み取れます。

募集職務と成果への評価に焦点を当てた推奨例は、この人財方針とそのまま重なります。同報告書によると、2025年度には国内グループの幹部にグループ統一の人事報酬制度を導入し、本社管理職の賞与を個人成果型に見直しており、「成果で評価される」は言葉だけでなく制度として動き始めています。IRニュースリリース(2026年3月27日)にある統合協議のように枠組みがさらに動く可能性があるなかで、担う職務と出す成果を先に言える人は、変化を前提に働ける人材として映ります。腰を据える意欲は「どの職務で何の成果を出し続けるか」の形に置き換えて伝えると、人財方針に応える形になります。

参考:
ローム「有価証券報告書」
ローム「IRニュースリリース」

ロームで得られる経験・スキル

ロームは、ウエハからパッケージ、品質保証までを自社で抱える垂直統合の体制で、車載・産機向けSiC事業の収益性改善に取り組む局面にあります。この環境で働くことで得られる経験・スキルを、全職種に共通するものと、営業・社内SE・SiCデバイス開発といった職種ごとの専門性の両面から、公式情報をもとに整理しました。

得られる経験身につくスキル対象
半導体づくりの前後工程をまたいだ業務半導体に関する知識や経験の体系的な獲得全職種共通
海外顧客や海外拠点とのやり取り海外との業務を日常的に進める経験全職種共通
全社横断のプロジェクトや部門間のローテーション担当業務の外側まで広がる視野全職種共通
大手自動車Tier1向けのRFI・RFQ対応から価格折衝、変更廃番申請まで車載取引の価格交渉力営業(日系車載)
受注してから出荷までのシステムの企画立案から運用保守までシステムを一貫して担う経験社内SE(情報システム開発)
TCADによるデバイス設計からプロセス開発、評価、量産移管までデバイス開発を一続きで進める経験SiCデバイス開発(個別半導体技術開発)

どの職種でも共通して得られる経験・スキル

ロームでは配属される職種を問わず、体制・市場・組織の3つの軸から共通する経験・スキルを得られます。具体的には、半導体づくりの前後工程をまたいだ知見、海外とのやり取り、担当業務の外側まで広がる視野の3つです。

前後工程をまたいだ半導体づくりの知見
海外顧客や海外拠点とのやり取り
全社横断のプロジェクトや部門間のローテーション

前後工程をまたいだ半導体づくりの知見

ロームは、ウエハからデバイス、パッケージ、品質までを自社で抱える垂直統合の体制をとっています。たとえば、半導体デバイス研究の求人は、垂直統合型企業の強みとして、半導体に関する知識や経験を体系的に獲得できる点を魅力に挙げています。SiCデバイス開発エンジニアの求人も、設計から量産移管までを担う経験を積めるため、半導体づくりの前後工程をまたいだ知見が得られるでしょう。

出典: ローム「キャリア採用」

海外顧客や海外拠点とのやり取り

採用サイトのFAQによると、ロームの海外での売上比率は「6割以上」です。求人でも、アプリケーションエンジニアは「海外顧客が多い為、ワールドワイドで活躍」とされ、社内SEは海外工場のサポートを含みます。営業には海外出向の機会もあります。そのため、海外顧客や海外拠点とのやり取りを日常業務として経験できると読み取れます。

出典:
ローム「採用FAQ」
ローム「キャリア採用」

全社横断のプロジェクトや部門間のローテーション

公開中の求人のなかで4職種が、全社横断のプロジェクトやローテーションに言及している点が特徴です。社内SEでは、全社横断プロジェクトのプロジェクトリーダーを目指す道が示されており、経理では、国内外グループ会社の経理・管理部門へのローテーションが挙げられています。

公式クロストークのキャリア入社者も、入社後に人事やマーケティング、経営企画室などの業務に携わってきたと語っています。そのため、担当業務の外側まで視野が広がる経験が得られるでしょう。

出典:
ローム「キャリア採用」
ローム「クロストーク TALK03」

職種別に得られる経験・スキル

職種別には、配属される職種によって得られる経験・スキルの中身が異なります。具体的には、営業(日系車載)では車載取引における価格交渉力、社内SEは受注から出荷までを一貫して担う経験、SiCデバイス開発は設計から量産移管までを一続きで進める経験などが得られるでしょう。

営業(日系車載):車載取引の価格交渉力
社内SE(情報システム開発):受注から出荷までのシステムを一貫して担う経験
SiCデバイス開発:設計から量産移管までを一続きで進める経験

営業(日系車載):車載取引の価格交渉力

営業(日系車載)は、大手自動車Tier1を中心に担当し、新規開発の仕様打診(RFI・RFQ対応)から価格折衝、変更廃番申請までを担います。自動車業界ならではの厳しい品質・コスト水準を満たしながら収益を最大化させる必要があるため、社内技術部門と密に連携しつつ顧客とタフな交渉を行うスキルが身につくでしょう。また、業務遂行力を高めた先には海外拠点への駐在機会も用意されており、世界基準の車載交渉力を養える環境といえます。

出典:
ローム「キャリア採用 求人一覧」
ローム「新卒募集要項」

社内SE(情報システム開発):受注から出荷までのシステムを一貫して担う経験

社内SEは、全世界の販売・生産拠点を対象に、受注から出荷に至る一連のシステム構築を企画から運用保守まで一貫して行います。生産管理システムの担当では、SiCパワー半導体生産の拡大に向け、グループ製造会社への有期の出向配属を通じて現場に入り込み、工場全体の高度システム化を推進する経験も得られます。

将来的に全社横断プロジェクトのリーダーを目指す道が示されており、拠点単体のシステム改善にとどまらず、システムを一貫して担う経験が得られるでしょう。

出典: ローム「キャリア採用 求人一覧」

SiCデバイス開発:設計から量産移管までを一続きで進める経験

SiCデバイス開発は、TCADによるデバイス設計からプロセス開発、インテグレーション、デバイス評価、量産移管までを担う職務です。工場は宮崎と福岡にあり、デバイス評価は京都で行うため、拠点をまたいで開発を進めることになります。業務ローテーションで顧客対応まで広げられるため、デバイス開発を一続きで進める経験が得られるでしょう。

出典: ローム「キャリア採用 求人一覧」

ロームの年収と離職率

ロームの平均年収は803万5,000円(2026年3月期)で、2024年3月期の879万3,000円をピークに2期続けて下がりました。離職率は2025年度に単体10.4%まで上がりましたが、自己都合による離職率は3.6%にとどまっています。

以下で、給与水準と働き方の安定性の両面から、ロームの待遇を数値で見ていきます。

ロームの平均年収は803万5,000円

有価証券報告書(2026年3月期)によると、ロームの平均年収は803万5,000円と、全国平均・製造業平均のいずれも大きく上回る水準です。

比較対象平均年収差
ローム803万5,000円―
全国平均396万4,800円+407万200円
製造業平均382万3,200円+421万1,800円

また、過去5年間の推移を見ると、2024年3月期をピークにした山型です。2022年3月期の789万1,000円から2024年3月期の879万3,000円まで上がったあと、2025年3月期に810万2,000円、2026年3月期に803万5,000円と2期続けて下がりました。

有価証券報告書によると、平均年間給与には賞与が含まれています。2025年3月期と2026年3月期は当期純損失となっており、業績と連動する賞与の減少が、年収の下振れにつながった一因と考えられます。

年度平均年収前年度との差分
2026年3月期803万5,000円-6万7,000円
2025年3月期810万2,000円-69万1,000円
2024年3月期879万3,000円+23万円
2023年3月期856万3,000円+67万2,000円
2022年3月期789万1,000円―

出典:
ローム「有価証券報告書」
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

ロームの離職率

ローム単体の離職率は10.4%(2025年度)と、全国平均の14.2%と比較しても低い水準です。

離職率が低い背景には、若年層の定着に向けた支援体制の強化やリスキリング(学び直し)支援などを通じて、人財の定着とエンゲージメント向上を図っている成果があると考えられます。

出典:
ローム「ESGデータ」
ローム「有価証券報告書」
厚生労働省「雇用動向調査」

ロームの働き方

ロームの働き方は、職種や配属先によって勤務地や条件が変わります。国内外への転勤・出向の可能性がある一方、有給取得率84.2%、月平均残業13.7時間と、休みの取りやすい環境といえるでしょう。勤務地と働き方の条件は、応募前に求人ごとに確認しておくと安心です。

リモートワークの可否について

ロームのキャリア採用の求人と共通募集要項には、在宅勤務・リモートワークに関する記載がありません。制度の有無については記載がないため、配属部署の運用を確認する必要があります。

共通募集要項の勤務時間は、京都本社・工場が午前8時15分〜午後5時15分、新横浜・京都駅前が午前8時30分〜午後5時30分です。一方で、共通募集要項には「裁量労働制の適応可能性あり」とも書かれています。

在宅勤務を重視する場合は、面接や内定後の条件確認で、配属部署の運用を確かめておくと入社後のギャップを減らせるでしょう。

出典: ローム「キャリア採用」

転勤と異動の有無について

ロームでは、国内外への転勤・出向の可能性があります。採用サイトのFAQでは、異動や転勤は事務・受付職種を除き、国内海外を問わず可能性があるとしています。

職種によっては、入社時からグループの製造会社へ出向となることも。生産管理システムの社内SEは、入社1〜2カ月ほど京都本社で研修を受けたあと、福岡・浜松・岡山のいずれかの工場へ有期で出向配属される予定です。営業にも海外出向の機会があり、勤務地は職種群ごとに次のように分かれます。

  • 営業:東京、新横浜、名古屋(海外出向の機会あり)
  • 技術(AE、研究、GaN):京都本社、新横浜
  • SiCデバイス開発:筑後工場駐在
  • 社内SE:京都本社、または工場への有期の出向

また、転勤休暇と出向休暇が設けられており、転勤・出向が制度として想定されていることが読み取れます。勤務地限定の制度は、キャリア採用の求人では確認できません。転居を伴う異動の可能性を前提に、応募前にライフプランとすり合わせておくことが求められます。

出典:
ローム「採用FAQ」
ローム「キャリア採用」

福利厚生について

ロームには、月4万5,000円を最長120ヵ月支給する住宅補助や、家族手当、各種研修制度などの福利厚生が整っています。住まいの支援は、寮や社宅を持たず、家賃・持家の補助に一本化している点が特徴です。加えて、福利厚生パッケージサービス「ベネフィットステーション」も利用できます。

カテゴリ福利厚生
住宅関連・住宅補助(月4万5,000円を120ヵ月支給)※寮、社宅はなし
育児・介護関連・家族手当(18歳未満の子1人につき2,000円)
活動・学習関連・キャリア入社者研修
・グレード別研修
・役職別研修
その他・退職金(在籍1年以上)
・確定拠出年金
・持株会
・財形
・社員食堂
・福利厚生パッケージ
・転勤休暇
・出向休暇

出典:
ローム「キャリア採用」
ローム「有価証券報告書」
ローム「採用FAQ」

ロームの求める人物像

ローム

求める人物像

自らの信念を持って仕事に取り組み、周りにも火をつけられる人
失敗を恐れずに挑戦し、素早く決断・行動できる人
物事の本質を究め、顧客の期待を超える技術を追求できる人

ロームは採用サイトで、求める人財像を「ROHM SPIRIT」として示しています。柱は「情熱」「行動力」「探究心」の3つで、共有する目標や課題解決に向けて、チームワークのもとで仕事に邁進できる人を求めるとしています。

また、有価証券報告書(2026年3月期)でも、重点課題を「主体的なキャリア形成を支える人財育成基盤の強化」としており、公式クロストークのキャリア入社者も、「新卒・キャリア関係なく、本人の意志を重視」する社風を語っています。

自らの信念を持って仕事に取り組み、周りにも火をつけられる人

ロームでは、自分の考えを持って仕事を進め、周囲の行動を引き出せる人が求められます。ROHM SPIRITの「情熱」は、自らの信念を持って仕事に取り組み、他者の思考や行動にも火をつけることができる人と定義されているからです。

求人も、業務を任せて本人の発信を求める設計です。SiCデバイス開発では、まず担当者自身がどのように進めたいかを発信することが求められ、GaNシステム設計では進め方も一任する形とされています。半導体デバイス研究にいたっては、原則として一人一テーマを持つ振り分け方で、進め方を決める相手が自分しかいません。一人に任せる以上、担当者が自分で道筋を引き、必要な人を動かして前に進めることが前提になります。そのため選考では、指示を待たずに進め方を組み立て、周りを巻き込んで形にした経験を示すのが有効です。

失敗を恐れずに挑戦し、素早く決断・行動できる人

ロームでは、変化の中でも挑戦をためらわず、素早く動ける人が求められるでしょう。ROHM SPIRITの「行動力」は、失敗を恐れずにチャレンジし、目標の達成に向けて素早く決断・行動ができる人と定義されています。

いまのロームは、利益体質への転換など、事業と組織の枠組みが動く局面にあります。枠組みが固まっていない以上、前例どおりに進められる仕事は減り、担当者が自分で決めて動く場面が増えます。求人がその前提で書かれているのも、経理が自ら探求・立案を実行する人を、アプリケーションエンジニアが主体性や責任感、当事者意識を求めていることから分かります。選考では、正解が決まっていない状況で自ら判断し、行動に移して成果につなげた経験を示すと良いでしょう。

物事の本質を究め、顧客の期待を超える技術を追求できる人

ロームでは、現場・現物・現実を重視して本質を突き詰め、顧客の期待を超える提案につなげられる人が求められると考えられます。ROHM SPIRITの「探究心」は、物事の本質を究めることに加え、技術トレンドの先を見据え、顧客の期待を超えた技術革新を追求できる人と定義されているからです。

求人でも、営業は「探求心の強い人」を求めています。GaNシステム設計の求人は、半導体設計と商品化のビジネスモデルでは顧客の期待を上回ることが難しくなってきていると明記し、システムまで踏み込む設計者を募っています。アプリケーションエンジニアの求人は、「顧客が喜ぶための落としどころに向かって旗振り」する役割を求めています。そのため、顧客の課題を深く掘り下げ、関係者をまとめて期待以上の提案や成果につなげた経験を示すことが必要といえるでしょう。

出典:
ローム「メッセージ(求める人財像)」
ローム「キャリア採用」
ローム「有価証券報告書」
ローム「クロストーク TALK03」

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会社概要

会社名ローム株式会社
設立1958年9月
代表者代表取締役社長 東 克己
資本金869億6,900万円
本社所在地京都府京都市右京区西院溝崎町21
公式Webサイト会社概要
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