当サイトはFactBoard株式会社が運営しています。本ページは一部PRを含みます。ファーストリテイリングはユニクロ事業を中心に展開している企業です。
ファーストリテイリングへの転職を検討している方に向けて、有価証券報告書(有報)や公開データの数字をもとに企業の経営状況から年収水準・将来性、さらに働く環境としての魅力を調査しました。
目次
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ファーストリテイリングへの転職を検討している方に向けて、有価証券報告書(有報)や公開データの数字をもとに企業の経営状況から年収水準・将来性、さらに働く環境としての魅力を調査しました。
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ファーストリテイリングの中途採用は、国内グループで採用した正社員の約4割〜6割弱を中途が占めており、例外的な採用枠ではなく主要な採用ルートの一つです。5領域の職種別募集で、職種ごとの専門性に加えて、英語で関係者を巻き込みながら変革を進めた経験が多くの職種で求められます。
データブック(2025年8月期)によると、国内FRグループで採用した正社員の中途採用比率は、直近5年間で37%〜57%で推移しています。有価証券報告書(2025年8月期)によると、ファーストリテイリングの従業員数は1,572人で、連結従業員数5万9,522人の約2.6%にあたる本部機能の組織です。
ファーストリテイリングの中途採用人数は公表されていませんが、国内グループで採用した正社員の中途採用比率は直近5年で37%〜57%となっています。
データブック(2025年8月期)では、「国内FRグループ」を集計範囲として「採用した正社員の中途採用比率」が公表されています。ファーストリテイリング単体の比率や、中途採用の人数は公表されていません。
| 年度 | 中途採用比率 |
|---|---|
| 2020年3月〜2021年2月 | 37% |
| 2021年3月〜2022年2月 | 44% |
| 2022年3月〜2023年2月 | 57% |
| 2023年3月〜2024年2月 | 51% |
| 2024年3月〜2025年2月 | 43% |
出典:ファーストリテイリング「データブック」
中途採用比率は5年連続で3割を超え、2022年3月〜2023年2月には57%と半数を上回りました。直近2年は51%から43%に低下しています。
ただし、比率の低下がそのまま中途採用の縮小を意味するとは限りません。有価証券報告書(2025年8月期)は、新卒採用をグループ一括採用に変更する方針を示す一方で、デジタル、IT、クリエイティブ、グローバルサプライチェーンマネジメントなどの高度専門人材の中途採用を強化するとしています。中途採用の人数は公表されていないため断定はできませんが、専門職の中途採用は引き続き強化の局面にあると考えられます。応募を検討する際は、全体の比率よりも、自分の職種が5領域のどこに当たり、募集が出ているかを確認するほうが判断材料になります。
有価証券報告書(2025年8月期)によると、ファーストリテイリングの平均勤続年数は5年9ヶ月です。なお、子会社から転籍した社員の子会社での勤続年数は含まれていません。離職率は公表されていません。
ファーストリテイリンググループ採用情報では、マーケティング・事業経営、サプライチェーンマネジメント、デジタル業務改革、クリエイティブ、コーポレートの5領域で、性質の異なる職種の募集が同時に展開されています。職種区分ごとの募集とは別に、オープンポジションも用意されています。
出典:
ファーストリテイリング「データブック」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリングの採用要件は、大きく「特定分野の実務経験と年数を必須とする職種」と「業界・領域を問わずプロジェクト推進や合意形成の経験を求める職種」の2系統に分かれます。多くの職種に共通して、英語でのコミュニケーションも求められます。
前者にはエンジニア・アーキテクトやデータサイエンス、ファイナンスなどが該当し、「3年以上」「5年以上」と分野と年数が指定されています。後者には倉庫オペレーションや出店、情報セキュリティ、コーポレートサービスが該当します。業界や領域の経験は不問と明記したうえで、推進や合意形成の経験が求められます。
ファーストリテイリンググループ採用情報で2026年10月時点に公開されていた169件の募集要項から、主な職種の必須要件をまとめると次のとおりです。
| 職種 | 必須要件 |
|---|---|
| エンジニア・アーキテクト | ITシステムの設計・開発・運用の実務経験3年以上(領域によりプログラミング経験5年以上) |
| データサイエンス | データサイエンティストとしての実務経験3年以上、またはIT領域でのプロジェクト推進経験3年以上 |
| エディター・グラフィックデザイナー | 事業会社・広告代理店・制作会社などでの編集またはグラフィックデザインの実務経験3年以上 |
| マーケティング | 広告代理店や事業会社でのデジタルマーケティング経験5年以上、または課題特定から成果創出までをリードした経験 |
| ファイナンス | 税務業務経験3年以上、または会計部門・企業経営支援の経験 |
| 物流企画・管理 | 貿易関連業務経験5年以上、またはPL・KPIを用いた改善を推進した経験(業界・領域不問) |
| 倉庫オペレーション | 技術知見をもとに関係者と合意形成しながらプロジェクトを推進した経験、工学系のバックグラウンド |
| 出店 | 建設プロジェクトマネジメントや商業施設運営などの経験(不動産経験不問の求人あり) |
| 情報セキュリティ | プロジェクトマネジメント実務経験(情報セキュリティ領域での経験は不問) |
| 人事 | 人事・労務・グローバルモビリティなどの領域での課題解決経験、日本語・英語でのコミュニケーション |
出典:ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
表のとおり、必須要件の大半は実務経験で書かれており、資格を必須とする職種は保健師など一部に限られます。経験年数の目安は「3年以上」「5年以上」が中心ですが、年数を明記しない求人も多くあります。
必須要件の傾向として、次の3点が読み取れます。
英語については「ビジネスレベルの英語力」「TOEIC700点以上目安」といった記載が、多くの職種区分で必須要件に入っています。一方で、デジタル業務改革領域の求人などでは「英語を日常的に使用する業務環境に、前向きに取り組める方」を要件とし、「※現時点での流暢さや実務経験は問いません。」と記載されています。
調整力については「社外の方や他部門の方々とビジネス上で円滑なコミュニケーションができる方」という型の記載が繰り返し登場します。専門性に加えて、関係者と協働しながら仕事を前に進める力が重視されていると読み取れます。
また、歓迎要件も職種によって傾向が分かれます。
歓迎要件は必須要件を満たしたうえでの加点材料である点に留意が必要です。満たしていないだけで選考対象から外れるわけではありません。
応募前には、まず自分の職種の必須要件にある経験年数を満たしているかを確認し、次に英語要件の書き方を求人ごとに見比べるとよいでしょう。英語要件は「ビジネスレベルの英語力」と書かれた求人と、「英語を日常的に使用する業務環境に、前向きに取り組める方」と書かれた求人に分かれています。現時点の英語力に不安がある場合は、後者の記載がある求人から検討すると、応募できる範囲を把握しやすくなります。
出典:ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
業種未経験からの採用を明記した求人は複数の職種にあり、異業種出身者の入社事例も公式に紹介されていますが、職種そのものの経験は多くの職種で必須です。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項で、業種・職種の経験について明記されている職種区分は次のとおりです。
| 職種 | 業種未経験 | 職種未経験 |
|---|---|---|
| 出店 | 可 | 不可 |
| 物流企画・管理 | 可 | 不可 |
| 情報セキュリティ | 可 | 不可 |
| EC企画・推進 | 可 | 不可 |
| コーポレートサービス | 可 | 可 |
| エンジニア・アーキテクト | 可 | 不可 |
出典:ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
募集要項には「不動産経験不問」「業界・領域不問」「情報セキュリティ領域での経験は不問です」「EC関連のご経験は不問です」といった記載があります。一方で、各職種の実務経験は必須要件に置かれており、業種は問わないものの職種の経験は求める職種が多いといえます。
コーポレートサービスは例外で、募集要項に「経験や専門性の有無は一切問いません」と記載されています。業種不問とする求人では、代わりにプロジェクト推進やチームづくりの経験が必須要件に置かれています。異業種から応募する場合は、関係者を巻き込んでプロジェクトを進めた経験を整理しておくと、選考で説明しやすくなります。
異業種からの入社事例として、公式サイトでは次の社員が紹介されています。なお、公式サイトで前職まで紹介されているのは主に海外グループ会社の社員で、国内本部の中途入社者について前職を明記した公式インタビューは確認できませんでした。
ファーストリテイリング US 法務部 部長の社員紹介では、米国の法律事務所の弁護士と大手企業の企業内弁護士を経て、グループに入社した経歴が紹介されています。本人は「私は前職で培った経験を活かして、ダイバーシティ&インクルージョンの推進リーダーとして」活動していると述べています。
法律事務所という異業種から事業会社に移りつつ、法務という職種の専門性はそのまま活かしている例です。募集要項の「業種は問わないが、職種の経験は求める」という設計と一致しており、異業種から応募する場合は、職種の専門性を前に出すことが前提になると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリング US 法務部 部長」
ファーストリテイリングのような有名企業・人気企業への転職を有利に進めるために、おすすめのハイクラス転職サイトを紹介します。
なお、以下からのコンテンツはPRを含みます。
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|---|---|---|
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ファーストリテイリングの中途採用の選考は、書類選考と複数回の面接で進み、職種によって課題の提出や実技試験が加わります。ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項には「ファーストリテイリンググループ内の別法人・別ポジションのご相談を差し上げる可能性があります」と記載されています。応募は、ファーストリテイリンググループ採用情報の各募集要項から行います。この章では、選考フローに続いて、選考の落とし穴、想定質問、志望動機の組み立てを順に解説します。
中途採用の選考は書類選考から面接を経て内定に至り、面接の回数や適性検査の有無は公表されていません。募集要項には、「通常の選考と同様に、書類選考・面接等がございます」と記載されています。
工程は領域によって異なります。カジュアル面談や複数領域での面接に柔軟に対応すると案内している募集要項があります。クリエイティブ職などでは、選考過程で課題や作品の提出を求める場合や、実技試験を実施する場合があると記載されています。
デジタル業務改革領域の一部では、応募書類をもとに会社側が活躍の可能性が高い領域を提案してから、面接に進む流れが示されています。また、複数法人に同時に応募できますが、最終選考には1ポジションずつしか進めないと全募集要項に共通して記載されています。
出典:ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
この章では、有価証券報告書や募集要項から読み取れる評価軸をもとに、選考で評価を下げかねない伝え方を整理します。
なお、以下は採用情報から読み取れる評価軸に対する考察であり、実際に公表された選考基準ではありません。
専門性の深さに絞って語ると、領域を越えて経営に関わる期待に応えていないと受け取られる可能性があります。
有価証券報告書(2025年8月期)は、対処すべき課題の筆頭で「経営人材の獲得と育成を重点課題とし」、「少数精鋭の組織を実現します。」と明記しています。人事職の募集要項のキャリアパスにも「人事部に留まらず、ヒト・モノ・カネ、いずれの切り口でも経営に携わる機会が、国内外にあります。」と書かれています。専門領域の先にある経営への関与が、期待役割として置かれていると読み取れます。
専門性を土台にしたうえで、領域の外の数字や組織にまで踏み込んで判断した経験を、同じ分量で伝えるとよいでしょう。有報は、経営者候補人材を「最短で経営者に育て上げる取り組み」を行うとしています。領域を越えて判断した経験は、その候補として見てもらうための材料になると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
謙遜のつもりの一言が、国境を越えて働く前提とのずれとして受け取られる可能性があります。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項の勤務地欄には、「勤務地は、海外含め会社の定める場所に変更することがあります」と記載されています。英語に関する要件も多くの職種に置かれており、勤務地と英語要件の両方が、国をまたぐ働き方を前提に書かれていると読み取れます。
現時点の語学力ではなく、言語や文化の違う相手と仕事を進めた経験や、英語を使う環境に移る意思を伝えると、前提とのずれを避けやすくなります。
有価証券報告書(2025年8月期)は、グローバルヘッドクオーター機能を日本のほか米国や欧州にも拡大し、多様な人材が世界でつながって仕事を進める体制を構築するとしています。国内か海外かを選ぶのではなく、国をまたいで仕事を進める体制そのものを作っている段階です。そのため、言語や文化の違う相手と仕事を進めた経験は、この体制の担い手としての適性を示す材料になると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
個人の成果を強調するつもりの言い方が、チームで成果を出す組織の前提とずれて受け取られる可能性があります。
ファーストリテイリンググループ採用情報のトップページは、求める人として「個人戦よりチーム戦に意味を見出す『人』。」を掲げています。有価証券報告書(2025年8月期)も、人的資本の方針に「グローバルワン 全員経営」を置いています。評価の面でも、人材確保と育成によると、目標管理に加えて、同じ部署の部下・同僚や他部署の同僚を評価者とする多面評価の制度が導入されています。周囲からの評価まで含める仕組みのため、個人の成果だけを語ると、評価軸の一部にしか答えていないと受け取られる可能性があります。
個人の成果を語る場合も、誰を巻き込み、チームとして何を残したのかを合わせて伝えると、全員経営を前提とする組織の評価軸に沿った伝え方になります。アプリケーションエンジニアの募集要項でも、組織やプロジェクトのマネジメント、または部下・後輩の指導の経験が必須要件に含まれており、人を育てた経験は面接で語る材料になります。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「アプリケーションエンジニア」
安定志向の言い方は、変化を前提とする組織とすれ違う可能性があります。
人事改革リーダー候補の募集背景には、「これまでのやり方を捨てて、新しいビジネスモデル・仕事の仕方を創出することが不可欠」と記載されています。有価証券報告書(2025年8月期)も、「グレードの飛び級を含めた大胆な抜擢」や、常に抜擢・降格をともなう「登用」を掲げています。採用背景と人事制度の両方が、変化と抜擢を前提に書かれていると読み取れます。
既存のやり方を見直して変えた経験や、変化の中で成果を出した経験を前に出すと、組織の前提に沿った伝え方になります。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ここでは、ファーストリテイリングの選考で聞かれるであろう想定質問をまとめました。応募・選考を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
プロジェクトや変革を推進した経験があること自体は書類選考で判定できますが、面接で確認したいのは、立場の違う関係者を巻き込みながら仕組みをどう変えたのかという工程だと考えられます。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項には「変革をもたらす当事者として課題解決をやり切ることができる方」という要件があり、変革や巻き込みを求める記載が多くの職種で繰り返し登場します。背景には全社の方針があります。有価証券報告書(2025年8月期)は、2023年8月期を第4創業の始まりと位置づけ、売上収益10兆円をめざすと明記しています。会社全体が変革期にあるため、個人の成果よりも、組織の仕組みを変えた経験に関心が向くと考えられます。
ユニクロ IMD部 部長の社員紹介では、新しく入った社員の意見を経営陣が聞き、すぐに実行することに驚いたと語られています。本人は経営陣について「聞くだけでなく、すぐに実行します。」と述べており、本人の要望をきっかけにグローバルヘッドクオーター(GHQ)で外国籍社員のメンター制度が始まったことも紹介されています。提案が実行に移りやすい組織では、提案の先にある実行と定着まで語れることが評価につながる可能性があります。
回答では、変えた対象となる仕組みや業務プロセス、巻き込んだ相手、変化のあとに定着した状態の順に話すと、工程が伝わりやすくなります。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ユニクロ IMD部 部長」
英語力の水準そのものは書類選考で判定できますが、面接で確認したいのは、言語や文化の違う相手と仕事を前に進める姿勢と行動だと考えられます。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項では、「ビジネスレベルの英語力」が多くの職種で求められ、TOEIC700点以上を目安とする求人もあります。一方で、英語を日常的に使う業務環境に前向きに取り組めることを要件とし、現時点の流暢さを問わない求人もあります。語学力の高さだけでなく、多国籍のメンバーと働く姿勢が重視されていると考えられます。
組織の構成も、この論点を裏づけています。有価証券報告書(2025年8月期)によると、グローバルヘッドクオーター機能の管理職に占める日本国籍以外の比率は34.9%(725名中253名、2025年8月末時点)です。2030年度にはこの比率を50%にする目標が掲げられており、多国籍のメンバーと仕事を前に進める姿勢が問われると考えられます。
ユニクロ IMD部 部長の社員紹介では、母語や文化の違いによる壁を、ビジュアルでのコミュニケーションで越えたことが語られています。言葉以外の手段も使って相手に伝わる工夫を重ねた事例として参考になります。
回答では、言語や文化の違いで苦労した場面と、相手に伝わるようにした工夫を具体的に話すと、行動の中身が伝わりやすくなります。現時点の英語力に自信がない場合も、英語を使う環境に前向きに取り組む意思と、そのための行動を合わせて伝えると、論点に沿った回答になります。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ユニクロ IMD部 部長」
職務経験が要件を満たすかどうかは書類選考で判定できますが、面接で確認したいのは、抜擢を前提とする組織で自分がどう役割を広げていくかを描けているかだと考えられます。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項には、キャリアパスとして「自らも経営者になって頂くことを期待しています」と書かれた求人があります。人事の求人では「人事部に留まらず、ヒト・モノ・カネ、いずれの切り口でも経営に携わる機会が、国内外にあります。」とも書かれています。担当業務をこなすだけでなく、経営に関わる立場まで役割を広げることが期待されていると考えられます。
人事制度も、役割の広がりを前提にしています。有価証券報告書(2025年8月期)は、グレードの飛び級を含めた大胆な抜擢を掲げています。登用は常に抜擢と降格をともなうものとされ、個人の能力に基づく評価と登用を半年ごとに実施するとしています。募集要項の待遇欄にも「昇格年2回(人事評価に応じて決定)」と記載されています。抜擢を前提とする組織であるため、自分のキャリアを主体的に描いているかが問われると考えられます。
回答では、入社後に最初に担う領域から、領域を広げて経営に関わるまでの道筋を話すとよいでしょう。
道筋の中には、有報に記載された制度を具体的なステップとして置くと効果的です。たとえば、ブランドや所属国、所属部署を越えたポジションに応募できるグローバル公募制度や、所属事業・所属国を越えて成長機会を与えるグローバルジョブローテーションです。自分のこれまでの経験と結びつけて語ると、キャリアを主体的に描いていることが伝わりやすくなります。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリングの選考を受けようと考えている方に向けて、志望動機の立て方の参考例をお伝えします。ぜひとも選考にお役立てください。
ユニクロの商品が好きで、もっと多くの人に届けたいと思いました
◯◯の業務を、データとシステムで仕組みごと作り変えた経験を、御社の業態変革に活かしたいと考えています
商品やブランドへの愛着を中心に据えた志望動機は、消費者としての視点にとどまり、入社後にどう貢献するかが伝わりにくくなります。ファーストリテイリングが進めているのは、アパレル企業の枠を超えた「情報製造小売業」への業態変革です。業務の仕組みをデータやシステムで作り変えた経験を、この変革に直接活かせる人材だと示すことが有効です。
ファーストリテイリンググループ採用情報のトップメッセージでは、大きなアパレル企業になるのではなく、世界に類のない新しい産業をつくることが目標だと述べられています。グループのオープンポジションの募集にも、「『情報製造小売業』(Digital Consumer Retail Company)へと業態を変革するため、全社改革『有明プロジェクト』を推進しています」と明記されています。有価証券報告書(2025年8月期)でも、2023年8月期を第4創業の始まりと位置づけて売上収益10兆円をめざし、人材やITなどへの投資を積極的に行うとしています。会社全体が、小売業の延長ではない新しい業態への転換を進めていると読み取れます。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
世界で成長を続けるユニクロの勢いに、自分も加わりたいと考えています
◯◯で、伸び悩んでいたブランドの商品数を△割絞り込み、欠品と在庫過剰を減らして利益率を◯ポイント改善しました
ユニクロの成長に加わりたいという志望動機は、すでに利益を上げている事業に乗りたいという意味に受け取られやすく、会社がこれから伸ばしたい領域への貢献が見えにくくなります。ファーストリテイリングは、ユニクロ以外の事業の収益力にまだ課題を残しており、収益の柱を増やせる人材だと示すことが有効です。
有価証券報告書(2025年8月期)によると、2025年8月期の事業利益は国内ユニクロ事業が1,813億円、海外ユニクロ事業が3,053億円です。一方で、ジーユー事業は283億円(前期比12.6%減)にとどまります。売上収益に対する事業利益の割合は、国内ユニクロ事業の約17.7%に対し、ジーユー事業は約8.6%と半分以下です。グローバルブランド事業は、事業構造改革に伴う減損損失などにより、営業損益が9億円の赤字となりました。
有報は対処すべき課題に「グループブランドの拡大」を掲げ、ジーユー事業では品番数を絞り込んで商品一つひとつの完成度を上げ、欠品や在庫過剰をなくすとしています。伸ばしたい事業ほど収益力に課題が残っているため、商品・在庫・利益の改善を数字で語れる経験は、ジーユーやグローバルブランドの求人に応募する場合に特に評価されやすいと考えられます。
出典:ファーストリテイリング「有価証券報告書」
これまでの経験を活かして、御社の売上拡大に貢献したいと考えています
◯◯の新システム導入後、現場で使われていなかった機能を洗い出し、△か月で利用率を◯%まで引き上げました
売上拡大への貢献という表現は、どの企業にも当てはまる目標にとどまり、ファーストリテイリングが今向き合っている課題に答えていないと受け取られる可能性があります。ファーストリテイリングは投資を積極的に行う一方で、投資した資産を使い切ることを課題に挙げており、導入した仕組みを現場で使われる状態にして成果に変えた経験を示すことが有効です。
有価証券報告書(2025年8月期)は、対処すべき課題として「インフレ時代に合わせた経費構造の改革」を掲げています。人材、IT、店舗、倉庫、ブランディングへの投資を積極的に行うと同時に、「投資した資産の徹底的な活用、生産性の向上、付加価値の拡大を図ります。」と明記しています。2025年8月期の設備投資は1,719億円で、前期から597億円増えました。デジタル業務改革の採用ページでも、執行役員CIOが「この業務システムがちゃんと使われるようにする」ことまでをチームの役割として語っています。投資額が膨らむ局面では、導入した仕組みを使われる状態にして数字を動かした経験が、課題に直結する実績として見られやすいと考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「デジタル業務改革」
全社を俯瞰する立場で戦略を考えたいと思っています
◯◯の現場に入り込み、実際の作業を見たうえで△△の仕組みを見直しました
本部の立場から全体を俯瞰したいという表現は、現場から離れた机上の設計を志向している印象を与えかねません。ファーストリテイリングは本部と店舗が一体となる働き方への変革を進めており、現場に入り込んで事実を確かめ、そのうえで仕組みを見直した経験を示すことが有効です。
有価証券報告書(2025年8月期)は、個店経営の進化として「本部と店舗が一体となって 課題解決を行う働き方に変革します。」と明記しています。人材確保と育成でも、「現場・現物・現実」という考え方に基づき、常にお客様と現場を最優先に考える人材を育成すると述べられています。ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項を職種横断で読むと、「店舗や倉庫等、現場を最重要視し、顧客視点で業務を進められる方」のように、現場を起点とした課題発見を求める記載が12区分で繰り返し現れます。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリングでは、ユニクロを中心とする衣料品事業を国内外で展開し、2023年8月期に始まった「第4創業」のもとで売上収益10兆円をめざす全社変革を進めています。2025年8月期の連結売上収益は3兆4,005億3,900万円で、海外ユニクロ事業が国内ユニクロ事業を上回る規模となっています。
この環境で働くことで得られる経験・スキルを、多くの職種に共通するものと、エンジニア・アーキテクト、物流企画・管理、人事といった職種ごとの専門性の両面から、公式情報をもとに整理しました。
| 得られる経験 | 身につくスキル | 対象 |
|---|---|---|
| 国をまたいで仕組みを動かす経験 | 多国籍の関係者を英語で動かす推進力 | 多くの職種で共通 |
| 全社変革プロジェクトに関わる経験 | 変革テーマの企画から実行、定着までを進める力 | 多くの職種で共通 |
| 職種や国を越えて役割を広げる経験 | 異なる領域で成果を出す適応力 | 多くの職種で共通 |
| システムを内製でEnd to Endに開発する経験 | 大規模なグローバルシステムの設計・開発・運用力 | エンジニア・アーキテクト |
| 世界各国の物流課題を一気通貫でリードする経験 | グローバルな物流網の設計と合意形成の力 | 物流企画・管理 |
| 経営幹部と組み、組織設計や人材配置を担う経験 | 事業戦略を組織と人の施策に落とし込む力 | 人事 |
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリングでは、多くの職種で、事業構造・戦略・制度の3つの軸から共通する経験・スキルを得られます。具体的には、多国籍の関係者を動かすグローバル推進力、全社変革を企画から定着まで進める変革推進力、そして職種や国を越えて役割を広げる適応力の3つです。
有価証券報告書(2025年8月期)によると、2025年8月期の海外ユニクロ事業の売上収益は1兆9,102億円で、国内ユニクロ事業の1兆260億円を上回っています。従業員数も、海外ユニクロ事業が3万6,161人と、国内ユニクロ事業の1万2,116人を大きく上回ります(2025年8月31日現在)。事業と人員の中心が国内にとどまらないことから、国をまたいで仕組みを動かす経験を積みやすく、その過程で多国籍の関係者を英語で動かしながら仕事を前に進めるグローバル推進力が身につく環境といえます。
出典:ファーストリテイリング「有価証券報告書」
有価証券報告書(2025年8月期)は、2023年8月期を第4創業の始まりと位置づけ、売上収益10兆円をめざすと明記しています。2028年8月期を目途に売上収益5兆円とする目標も掲げ、人材、IT、店舗、倉庫、ブランディングへの投資を積極的に行うとしています。全社で変革を進めている時期であることから、変革プロジェクトに関わる経験を積みやすく、その過程で変革テーマを企画し、実行から定着までを進める変革推進力が身につく環境といえます。
出典:ファーストリテイリング「有価証券報告書」
有価証券報告書(2025年8月期)によると、個人の能力に基づく評価と登用を半年ごとに実施しており、ブランドや国を越えたポジションに応募できるグローバル公募制度も設けられています。データブック(2025年8月期)では、人材教育の1人当たり平均時間は20.6時間です(FR(国内)、ユニクロ(国内)、ジーユー(国内)の地域正社員を含む正社員)。社内公募の利用実績は公表されていないものの、こうした制度から、職種や国を越えて役割を広げる経験を積める可能性があり、その過程で異なる領域でも成果を出す適応力が身につく環境と考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「データブック」
ファーストリテイリングでは、応募する職種によって得られる経験・スキルの中身が異なります。具体的には、エンジニア・アーキテクトでは内製開発を通じたシステム構築力、物流企画・管理では世界各国の物流改革を通じた課題解決・合意形成力、人事では経営幹部との協働を通じた組織・人材戦略の実行力です。
ここでは、中途採用の5領域のうち、デジタル業務改革、サプライチェーンマネジメント、コーポレートの各領域から、特に特徴が際立つ3職種を取り上げています。
アプリケーションエンジニアの募集要項には、「業務構築やシステム開発の核となる部分は内製でコントロールしながら」開発を進めることや、業務とシステムの改革の全工程をEnd to Endで担うことが記載されています。開発を外部に任せきりにしない体制から、EC、サプライチェーン、データ基盤のシステムを、設計から開発、運用まで一貫して手がける経験を積みやすい環境といえます。
有価証券報告書(2025年8月期)は、人材、IT、店舗、倉庫、ブランディングへの投資を積極的に行うと明記しています。人材確保と育成でも、デジタルやITが世界水準の高度専門人材の重点分野に挙げられています。そのため、全社の変革を支える大規模なグローバルシステムに携わる機会は多いと考えられます。
デジタル業務改革の採用ページでは、執行役員CTOが「開発だけすればいいというわけではなく、お客様や、業務で使う人に、開発したシステムをどう使ってもらうのか、どう喜んでもらいたいのか、というところまでを担うのが仕事です。」と語っています。開発したシステムが現場で使われるところまで責任を持つ経験は、次のキャリアで、事業と開発の両方を理解するエンジニアとして評価される土台になると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「アプリケーションエンジニア」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「デジタル業務改革」
グローバルサプライチェーン改革リーダー候補の募集要項には、「海外各国事業・各ブランドの経営者と議論しながら、物流課題の特定、あるべき姿・課題解決策の検討から実行までを一気通貫でリードいただきます。」と記載されています。各国の経営者と直接議論する立場から、物流課題の発見から解決までを一貫してリードし、立場の違う関係者と合意を形成していく経験を積みやすい環境といえます。
有価証券報告書(2025年8月期)は倉庫への投資を積極的に行うと明記しており、人材確保と育成でもグローバルサプライチェーンマネジメントが高度専門人材の重点分野に挙げられています。グローバルな物流網の設計に関わる経験も積めるでしょう。
デジタル業務改革の採用ページでは、サプライチェーンを担うデジタル業務改革サービス部長が「デジタル化された情報の裏には、実際にモノが動いている世界がある。そのリアリティを、実際の現場で感じることを大切にしています。」と語り、サプライチェーン改革は「まだ道半ば」だとしています。改革の途中にある物流網で、データと現場の両面から課題を詰める経験は、グローバル企業の物流改革を担う次のキャリアにもつながると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「グローバルサプライチェーン改革リーダー候補」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「デジタル業務改革」
戦略人事(HRビジネスパートナー)候補の募集要項には、「GHQ本部の複数部門をご担当頂き、各部門役員と密にコミュニケーションをとりながら、部門戦略を実現するための組織強化・人材育成を行って頂きます。」と記載されています。部門役員と組む立場から、事業戦略を組織設計や人材配置、異動の施策に落とし込み、実行まで担う経験を積みやすい環境といえます。
有価証券報告書(2025年8月期)は、経営人材の獲得と育成を重点課題に掲げています。全社の重点課題である経営人材の育成に、人事の立場から直接関わる経験も積めると考えられます。
コーポレートの採用ページでは、人事の一番の特徴を「完全実力主義」とし、「実力のある人に責任のある立場、困難な仕事を任せていく」と説明しています。抜擢を前提とする人事制度を経営幹部と組んで運用する経験は、事業戦略と人事を結びつける戦略人事のキャリアで強みになると考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「戦略人事(HRビジネスパートナー)候補」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「コーポレート」
ファーストリテイリングの平均年収は1,250万6,000円で、全国平均・製造業平均を大きく上回り、2021年8月期から約287万円増えています。ただし、この値は本部の管理部門1,572人の平均であり、店舗で働く社員を含むグループ全体の水準ではありません。離職率は公表されていません。
有価証券報告書(2025年8月期)によると、ファーストリテイリングの平均年収は1,250万6,000円で、全国平均・製造業平均を大きく上回っています。平均年間給与には、賞与と基準外賃金が含まれています。
ファーストリテイリングは持株会社で、従業員はすべて全社(共通)に属すると有報に記載されています。そのため、この平均年収は本部の管理部門1,572人の値であり、店舗で働く社員を含むグループ全体の待遇を表すものではありません。
| 比較対象 | 平均年収 | 差 |
|---|---|---|
| ファーストリテイリング | 1,250万6,000円 | ― |
| 全国平均 | 396万4,800円 | +854万1,200円 |
| 製造業平均 | 382万3,200円 | +868万2,800円 |
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
平均年収は製造業平均382万3,200円(2024年)の約3.3倍で、全国平均396万4,800円(2024年)も大きく上回っています。ファーストリテイリングの平均年齢は38歳5ヶ月で、製造業の平均年齢43.8歳(2024年)より5歳以上若い組織です。若い年齢構成でこの水準に達していることから、年齢を考慮すると、相対的にさらに高い待遇と考えられます。
また、過去5年間の推移を見ると、2022年8月期にわずかに下がったあと3期連続で増加しており、増加傾向にあります。2025年8月期は前年比6.1%増となり、2021年8月期から約287万円増えています。
大きく伸びた2023年8月期は、2023年3月に国内の報酬テーブルを最大で約40%引き上げた報酬改定が反映され始めた時期にあたります。2025年3月にも本部・営業の正社員を対象に報酬テーブルを最大11%引き上げており、直近の増加につながったと考えられます。
| 年度 | 平均年収 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2025年8月期 | 1,250万6,000円 | +71万4,000円(+6.1%) |
| 2024年8月期 | 1,179万2,000円 | +31万6,000円(+2.8%) |
| 2023年8月期 | 1,147万6,000円 | +188万2,000円(+19.6%) |
| 2022年8月期 | 959万4,000円 | −4万3,000円(−0.4%) |
| 2021年8月期 | 963万7,000円 | ― |
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ、報酬改定へ」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ 日本の報酬を再強化」
年収水準の背景には、報酬体系の方針があります。有報によると、グローバル各国の報酬水準を常時モニタリングし、小売業を超えた全産業で競争優位性のある報酬体系を維持するよう見直しています。業績面では、連結営業利益が2021年8月期の2,490億1,100万円から、2025年8月期には5,642億6,500万円へ拡大しています。
さらに、有報には高度専門人材の中途採用を強化するとの記載があります。専門人材の処遇が平均年収を押し上げていることも、一因と考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
ファーストリテイリングの離職率は公表されていませんが、平均勤続年数は5年9ヶ月と、全国平均や製造業平均を大きく下回ります。有価証券報告書(2025年8月期)によると平均勤続年数は5年9ヶ月で、令和6年賃金構造基本統計調査の全国平均12.4年、製造業平均14.9年(いずれも2024年)と比べて短い水準です。ただし、この値は本部機能を担うファーストリテイリングの数値で、子会社から転籍した社員の子会社での勤続年数は含まれていません。
勤続年数が短い背景には、まず集計上の要因があります。ファーストリテイリングは持株会社で、子会社から転籍した社員は子会社での勤続年数が算入されないため、グループでの実際の在籍期間より短く表れやすい数値です。そのうえで、採用情報では人事の一番の特徴を「完全実力主義」とし、有報でもグレードの飛び級を含めた抜擢や、半年ごとの評価・登用を掲げています。役割や報酬が実力に応じて変わる人事制度も、人材の入れ替わりが起きやすい一因と考えられます。
国内グループで採用した正社員の中途採用比率も直近5年間で37%〜57%で推移しており、実力に応じて役割や報酬を高めたい人材が外部から多く加わっていることも、勤続年数の短さにつながっていると推察されます。
出典:
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「データブック」
ファーストリテイリング「コーポレート」
本部ではフレックスタイム制度と在宅勤務制度が導入されていますが、勤務地は海外を含めて変わる可能性があると案内されています。ワークライフバランスでは「店舗はシフト制、本部はフレックス制度を導入しています」と案内されており、働き方は本部と店舗で区分されています。中途採用で本部の職種に応募する場合は、本部の制度が前提となります。
本部には在宅勤務制度がありますが、利用の頻度や実績は公表されていません。
新卒採用サイトのワークライフバランスでは、本部について「本部は従業員がフレキシブルに勤務時間を調整できるフレックス制度、在宅勤務制度を導入し」と案内されています。中途採用でも、デジタル業務改革領域などのファーストリテイリンググループ採用情報の福利厚生欄に在宅勤務制度の記載があります。
一部の募集要項では、「在宅勤務制度(出社とのハイブリッド勤務)」と案内されています。店舗はシフト制で、在宅勤務の対象とする記載はありません。
一方で、戦略人事(HRビジネスパートナー)候補やグローバルサプライチェーン改革リーダー候補の募集要項には、在宅勤務に関する記載がありません。戦略人事の募集要項では、勤務形態はフレックスタイム制(コアタイム9:00〜14:00)と記載されています。在宅勤務を前提にできるかは職種によって異なると考えられるため、応募する求人の勤務形態・福利厚生欄で在宅勤務の記載があるかを確認しておくとよいでしょう。
出典:
ファーストリテイリング「ワークライフバランス」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「戦略人事(HRビジネスパートナー)候補」
ファーストリテイリング「グローバルサプライチェーン改革リーダー候補」
中途採用でも勤務地は海外を含めて変わる可能性があると案内されており、グループ内では国や事業を越えた異動・公募の制度が設けられています。
ファーストリテイリンググループ採用情報の募集要項の勤務地欄には、「※勤務地は、海外含め会社の定める場所に変更することがあります」と共通して記載されています。有価証券報告書(2025年8月期)によると、グループの海外ユニクロ事業では3万6,161人が働いており(2025年8月31日現在)、海外赴任を前提とする求人もあります。海外拠点が事業の過半を占めるため、転勤の範囲は海外に及びうると読み取れます。
異動については、所属事業や所属国を越えた成長機会を与えるグローバルジョブローテーションの制度があります。ブランドや所属国、所属部署を越えたポジションに応募できるグローバル公募制度も設けられています。
有報によると、正社員には執行役員(取締役除く)、ナショナル社員、地域正社員の区分があります。このうち地域正社員は、ジェンダーのページで「転居を伴わずに、地域の店舗に密着して勤務することができます」と説明されている店舗勤務の区分です。本部職種の募集要項は海外を含む勤務地の変更を前提としており、転勤や異動の頻度は公表されていません。転勤の範囲や頻度は、応募時に個別の求人票の勤務地欄で確認し、気になる点は面接で確かめておくことをおすすめします。
出典:
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリング「ジェンダー」
ファーストリテイリングには、社員持株制度や確定拠出年金制度「ファーストリテイリング型401K」、ベビーシッター補助制度、ウェルネスセンターといった福利厚生が整っています。なかでも持株制度と確定拠出年金は、会社の成長と個人の資産形成をつなげる仕組みであり、「全員経営」の方針を報酬面から支えるものと考えられます。また、ライフステージの変化に左右されず、長期的に高いパフォーマンスを発揮できるよう、従業員一人ひとりの生活と健康を支える制度が構築されています。
| カテゴリ | 福利厚生 |
|---|---|
| 住宅関連 | ・社宅制度 |
| 育児・介護関連 | ・育児・介護休業制度 ・育児・介護短時間勤務制度 ・ベビーシッター補助制度 ・繁忙日託児支援制度 ・延長保育補助 ・介護両立支援プロジェクト |
| 活動・学習関連 | ・ファミリーデー ・FR Management & Innovation Center ・FRコンベンション(年2回) ・社内公募(キャリアチャレンジプログラム) |
| その他 | ・通勤手当 ・社員持株制度 ・確定拠出年金制度 ・共済会制度 ・各種社会保険完備 ・提携福利厚生プログラム ・社員割引制度 ・カフェテリア ・専用シャトルバス(有明オフィス通勤時) ・ウェルネスセンター ・永続勤務者報奨 ・特別報奨制度 ・特別休暇 |
出典:
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「働きやすい職場」
ファーストリテイリング「ジェンダー」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「アプリケーションエンジニア」
株式会社人材研究所 ディレクター
安藤 健
ユニクロの店舗数は海外が国内の2倍超、アルバイトの提案も即採用される完全実力主義な会社
ファーストリテイリングの「全員経営」は、掛け声だけではないようです。ユニクロの店長は、数億〜数十億円規模の店舗で、売上や在庫、人員配置まで判断する経営者として任されます。しかも人材評価は、業績への貢献が半分、残り半分は部下や後輩をどれだけ育てたかという設計。個人で数字を追うだけでなく、チームを強くする力まで見られるのが意外ですね。2025年8月期には、経営陣と社員が直接対話するセッションを2,132回開催し、延べ110,071人が参加。年2回、世界の約4,500人が同時参加する場では、新人店長の任命も行われています。早くから大きな責任を持つぶん、現場の数字と顧客の声をもとに、自ら考え抜く力が求められる環境です。年齢や在籍年数より実力で機会をつかみ、成果と人づくりの両方に向き合いたい人には、成長を実感しやすい会社かもしれません。
ファーストリテイリング
求められる人物像
人材確保と育成では、「お客様志向」などの共通の価値観に基づき、高い基準や理想をもって自ら考え、実行できる人材が会社の目標を達成できると述べられています。中途採用の募集要項や有価証券報告書の人材戦略でも、「経営者視点」「お客様と現場を起点にする姿勢」「高い目標への挑戦」の3点が繰り返し求められています。
自ら経営者として考え、課題を解決することが前提となり、そのうえでお客様と現場を起点に考える姿勢と、高い目標に向けて努力を続ける姿勢が重視されます。
ファーストリテイリングは、自ら課題を見つけ、経営者の視点で解決までやり切る人物を、多くの職種で求めています。従業員全員が経営者として世界で一番良い方法でビジネスを実行する「グローバルワン 全員経営」を掲げ、2023年8月期を第4創業の始まりと位置づけて売上収益10兆円をめざすなかでは、担当業務の枠にとどまらず経営課題に向き合う人材が、変革の担い手になるからです。募集要項にも「自らも経営者になって頂くことを期待しています」とキャリアパスに書かれた求人があり、変革をもたらす当事者として、課題解決を最後までやり切る姿勢も重視されます。
ファーストリテイリングには、本部の職種であっても、お客様と店舗や倉庫などの現場を起点に仕事を進められる人物が求められます。「お客様志向」を共通の価値観とし、「現場・現物・現実」という考え方に基づいて、常にお客様と現場を最優先に考える人材の育成を方針に掲げているからです。本部と店舗が一体となって課題解決を行う働き方への変革を進めるなかでは、現場を最重要視し、そこで見つけた課題を自らの業務に反映する姿勢も欠かせません。
ファーストリテイリングは、前例のない課題を前向きに引き受け、新しいやり方を生み出せる人物を求めています。有価証券報告書は、世界水準の高度専門人材を「既存の概念にとらわれず、未来を創るための新しい機能・仕組みを世界水準で構築できる人材」と定義し、獲得と育成の重点領域に置いているからです。採用情報のCEOメッセージでも、「大きなアパレル企業」になるのではなく、世界に類のない全く新しい産業をつくることが目標とされています。評価と登用を半年ごとに行い、グレードの飛び級を含めた抜擢を行う人事制度のもとでは、前例のない仕事で成果を出した人ほど機会を得やすい環境と考えられます。
出典:
ファーストリテイリング「人材確保と育成」
ファーストリテイリング「ファーストリテイリンググループ採用情報」
ファーストリテイリング「有価証券報告書」
ファーストリテイリングと同じ業界の会社を探すなら!おすすめ転職サービス診断
PRQ1
いまのお仕事に近いものはどれですか?
離職中の方は、直近のお仕事をお選びください
| 会社名 | 株式会社ファーストリテイリング |
| 設立 | 1963年5月1日 |
| 代表者 | 代表取締役会長兼社長 柳井 正 |
| 資本金 | 102億7,395万円 |
| 本社所在地 | 山口県山口市佐山10717-1 |
| 公式Webサイト | ・概況 |
| 採用ページ | ・ファーストリテイリンググループ採用情報 |
人事と採用のプロはこう読み解く!